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連れ
「連れ立って歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
連れ立って歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
奥様らしくもなしと眼を※って美貌と美装に看惚れたもんだ。その時分はマダ今ほど夫婦
連れ立って歩く習慣が流行らなかったが、沼南はこの艶色|滴たる夫人を出来るだけ極彩....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
らしのない」 これがかの女に対する肉親の情の示し方だった。 むす子はかの女と
連れ立って歩くときに、ときどき焦れて「遅いなあ、僕先へ行きますよ」と、とっとと歩....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
して逃げて行くほどの野暮《やぼ》にもなれなかった。二人は軽い冗談などを言いながら
連れ立って歩いた。 「いいお月さまですことね」と、お里は明るい月をさも神々《こう....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
なマクベスの心持が。 彼女は定まって一人で外出た。どんな事があってもこの私と、
連れ立って歩こうとはしなかった。 良人のあるということを、隠したがっているらし....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
とお侍さんは何んと感心にも、乏しい懐中の中から金を立て替えてやり、それを縁に
連れ立って歩き、日の暮れに上尾宿まで参りましたところ、女の姿が見えなくなったそう....
「人間失格」より 著者:太宰治
とつねに彼を軽蔑《けいべつ》し、時には彼との交友を恥ずかしくさえ思いながら、彼と
連れ立って歩いているうちに、結局、自分は、この男にさえ打ち破られました。 しか....
「或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
これが、飲み仲間だけの酔後には、大きな差を作る。相手を物色して、見失わないように
連れ立って歩き、腕を組み肩を抱えまでするのが、一つ。も一つは、連れがあろうとある....
「庶民生活」より 著者:豊島与志雄
田さんお二人をご覧なさい。正式に結婚もなすっていないのに、あんなに仲よく、いつも
連れ立って歩いていらっしゃるじゃありませんか。あなたはどうですか。結婚したてこそ....
「道標」より 著者:豊島与志雄
顔付や表情は全然分らず、姿態が大きくはっきりと見えるだけでした。その彼女と、彼は
連れ立って歩いてゆきました……。 何の岐れ路もないただ一筋の真直な街道。地面は....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
「たしかに千代乃ですか。」 間違いはなかった。言葉まで交わしたのだ。けれども、
連れ立って歩いてきて、それから、後のことは、ぼーっとしていた。はぐれた、というよ....
「道連」より 著者:豊島与志雄
凄い堰のわきをも、大して恐ろしい思いをせずに通り過ぎた。 それにしても、夜道を
連れ立って歩いていると、普通の人間である限りは、一人が小便をすればも一人も大抵小....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れたものと見えます。それでも我慢《がまん》して、痛いとも疲れたともいわず、与八と
連れ立って歩こうとする、その痛々しさは与八も気がつかずにはいられなかったので、 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
御両人であったよな。グロの友公と、お喋《しゃべ》り坊主の弁信とが、真面目くさって
連れ立って歩いているのでした。そんなら、そうと、最初から言えばいいのに。 驚い....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
一層そのあたり一帯を私に何か見知らないように思わせ出した。それから私はよくお前と
連れ立って歩いたことのある森の中へも、まだかなり深い雪を分けながらはいって行って....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
という人が、目の上に大きな黒子《ほくろ》のある、年をとったおじいさんみたいな人と
連れ立って歩いているところを二度ばかり見かけた。一度は私が父と一しょに浅草の仲見....