進ぜる[語句情報] »
進ぜる
「進ぜる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
進ぜるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、ご経営なさる病人の宿だ」 「ははあ、さようでございますか」 「病人なれば宿めて
進ぜる。健康体ならお断わりだ」 すると老人はその眼の中へ一道の光を宿したが、に....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
がね。」 「勿体ないくらい、結構だな。」 「そのくらいなら……私が働く給金でして
進ぜるだ。」 「ほんとかい。」 「それだがね、旦那さん。」 「御覧、それ、すぐに....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
|汐時を見ては拾っておきまして、お客様には、お土産かたがた、毎度|婆々が御愛嬌に
進ぜるものでござりますから、つい人様が御存じで、葉山あたりから遊びにござります、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
がね、ああ。」 (御新姐様や、御身ア、すいたらしい人じゃでの、安く、なかまの値で
進ぜるぞい。)ッて、皺枯れた声でそう云うとね、ぶんと頭へ響いたんです。 そして....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ありがとう存じます。おかげをもちまして」 「それはよかった。家はどこかな、送って
進ぜる、云うがよい」 「はい、ありがとう存じます。すぐ隣り村でございまして、征矢....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
」 「警護の者も沢山いる。逃げようとて逃がしはせぬ。……最後の願いじゃ聞き届けて
進ぜる」 「有難い仕合せに存じます」 そこで矢来は取り払われ波|平かの浪華の海....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
る舞い! そもそも医師は長袖の身分、武士の作法を存ぜぬと思えば過言の罪は許しても
進ぜる。早々ここを立ち去らばよし、尚とやかく申そうなら隣家の交際も今日限り、刀を....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
もあるまいがな。さあ早く仕度をするがいい。大門口は出られめえ。家の裏木戸を開けて
進ぜる」 「そう急き立てるところを見ると、さてはもう手が廻ったか!」 「徒党を組....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
、我々の同士の一人として、わしの持っている独楽へ現われて来る隠語を、早速見せても
進ぜるし、二つの独楽をつき合わせ、互いの隠語をつなぎ合わせ、淀屋の財宝の在場所を....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
帳武士とお尋ねなされたら、大概は居場所わかりましょうよ。……拙者いつでも討たれて
進ぜる」 それから、足もとに、今は肩息になっているお浦を見下ろしたが、 「不幸....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
頂上へ家康を案内して眼下に霞む関東平野を指し、 「小田原平定後は関八州をあなたに
進ぜるが、あなたは居城をどこに定めるお考えか」 「北条氏同様、まア、小田原を居城....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
まで出向いたが、八ツまでには、帰って来るはずじゃ。わしで判ることは、何でも話して
進ぜるが……」 「いえ、そんならまた、お帰りの時分に伺いましょう。どうぞよろしく....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
き物をしたら、見てくれろというんなら、必ず見てもあげるし、遠慮のない愚見も述べて
進ぜる。が、これはどこまでも師弟の立場からではなくて、友達としてのつきあいだ。そ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
て能うは書かれまい。はははははは。それも折角のお頼みじゃで、われらも一度は書いて
進ぜる。但し二度は無用じゃ。一度の文で相手の返しがあれば重畳、たといそれが梨の礫....
「活人形」より 著者:泉鏡花
否と言うが最後だ。とどっかと坐して大胡坐。得右衛門思い切って「居さえすれば渡して
進ぜる、居らぬが実じゃで断念さっし。と言わせも果てず眼を怒らし、「まだまだ吐すか....