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進呈
「進呈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
進呈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「間諜座事件」より 著者:海野十三
も柳ちどりを電話機に釘止めにして置こうと努力した。 「柳ちどりさんに、いいものを
進呈――」 撃て、――という命令は、屋根裏の同志の耳に達して、スワと機関銃の引....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
た。カラカラに乾いたパンであるが、これ一個七十三円という。(奥さんにおにぎり二つ
進呈したそのお礼なり) 四月二日 ◯今暁、敵大編隊来襲。立川方面へ投弾す。照明....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
義眼であった。老人の右の目にはいっていた入れ目であった。 「さ。これをキヨシ君に
進呈する」 老人は、気味のわるい贈物を、春木少年の方へさしだした。 なんとい....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
さんの病気を完全になおしてみせる。もし不成功に終ったら、僕はこの首を切って、君に
進呈《しんてい》するよ」 そういって隆夫は、自分のくびを叩いた。ひどく昂奮《こ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
帆村の方へ振った。 「そこに居る帆村君が、その鼠を欲しがっているようだから、氏に
進呈したまえ」 「ははあ」 警部は、わざとらしく愕いて帆村の面上へ目を据えた。....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
、瓦斯マスクを売っているとこ、知りませんか。教えてくれれば、五百円を今、あなたに
進呈しますが」 金持らしい紳士が、在郷軍人によびかけた。 「配給品以外にはない....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
る筈だし、毛沼博士にとっては専門違いのもので、さして惜しくもないものだから、快く
進呈すればいいのに、持っていながら黙って隠している意地悪さに、鳥渡義憤を感じたの....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
新八郎は云った。 「こういう刑罰の道具類や、こういう節操保持の機械は、女から男へ
進呈すべきものさ。……悪事は男がしているのだからなあ」 「浮世は逆さまでございま....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
れを頂戴に上ったのでした。しかし奥様にお目にかかり、私の考えは変わりました。……
進呈することに致しました。いえ貴郎にではありません。貴郎の奥様へ差し上げたので。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
って老人は懐中から小さな手箱を取り出したが、それを私の前へ置き、 「これをお前に
進呈する。家へ帰って開くがいい。お前の今後の運命はこれによってきっと定まるだろう....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
ことだよ。 その名刺に印刷された名を僕は知らぬが、ただその名刺の上の右の隅に『
進呈』という文字が書かれた左の上の隅に何と君、『塚原俊夫君』と書かれてあるではな....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
を送付する。よって、その実費として、二百円送金すべし。その代り、百円分の薬を無代
進呈する。 ……いきなり二百円を請求された支店長たちは、まるで水を浴びた想いに....
「おせん」より 著者:邦枝完二
んでもこれから直ぐに連れて行け。その換りお礼は二|分まではずもうし、羽織もお前に
進呈すると、これこの通りお羽織まで下すったんじゃござんせんか。それだのに、まだほ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
得あり。例えば婚礼式の節(宗派によりてはその他の儀式にも)には、多少の金を僧侶に
進呈するを例とす。わが国にて布施と称するものに同じ。 礼拝のときには、いずれの....
「四つの都」より 著者:織田作之助
その仏像いか程でお求めに……」 庄造「あゝ、代金ですか、いや、それは戴けません、
進呈します」 節子「でも、それではあんまり……」 庄造「戴いても、皆この男の物に....