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「進境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

進境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
知と疑い」より 著者:寺田寅彦
も、もし電子の運動に関する実験上の事実が知られなかったならばおそらく今日のごとき進境を示す事もなかったであろう。 知るにはまた種々多様の知るがある。地球上の物....
夜の若葉」より 著者:宮本百合子
つれてますます桃子の心を捉えた。ぐるりの聴衆も、際立ったこのピアニストの内面的な進境で奏される音楽に魅せられた風で、息をつめた満堂の静謐のなかに最後の旋律が消え....
道標」より 著者:宮本百合子
磯崎も気の毒ですわ」 まっすぐに正直な視線で、画面にこめられている努力と、その進境をはかろうとするように眺めながら須美子は、 「あちらの御両親がもうすこし、わ....
加護」より 著者:宮本百合子
が》り、もうどうにも仕方ないように感じることがある。いくら努めて見ても、目に立つ進境はなく、仕舞には、絶望の吐息と一緒に投げすてて終いたくさえ思う。信仰にも、同....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なんでもなく、それに叶うところの腕と眼が、並び進んでいるということは、全く案外な進境と言わなければなりません。 ただしかし、誰もこれだけの進歩と造詣を、主膳の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もう翌日の朝、二人の間を見破ってしまいました。 朝の御機嫌伺いを兼ねて、事業の進境の相談をするために、真先におとずれた時に、平静を極めた二人の、常と少しも変ら....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
こんでゆこうとする勇気があった。後にはただ繰返しにすぎないものとなって、すこしの進境もなく、理解のともなわぬ、ただお芝居をするだけになった芸道の堕落のためだと思....
地上」より 著者:島田清次郎
たろう。それに引きかえ容一郎と綾子は学校へ行くことを喜んだ。容一郎の学問に対する進境の速かなことは学校の先生を驚かした。彼は家へ帰ってからも一人黙って書物をいじ....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
教師は大体の説明指導を与うるに止め互に切瑳啓発せしめば従来の補習夜学に比し一段の進境ならずとせず。 図書館こそ真に民衆の大学なれ、とカアライルは云えり。大学教....
芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
しても視学についての研究があり、影絵のことなどもいっているが、たしかに前代よりも進境を見せている。 この頃から画法のことに関して視学(あるいは光学)の研究も開....
和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
。けれどもまたこれを趣味的芸術的に取り扱って、若き心の数学に対する趣味を開発し、進境を打開すべき曙光が全く認められないではあるまい。私は和算の発達に顧み、趣味的....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
根本の内容を組成する材料の採択、性格の描写、人生の観照等に到っては『浮雲』以後の進境を見る事が出来なかった。 殊に『其面影』は二十年ぶりの創作であったから、あ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
い》歌麿より少《わか》き事|僅《わずか》に七年なり。然れどもその画風筆力の著しき進境を示したるは歌麿の歿後《ぼつご》、文化|中葉《ちゅうよう》の事にして、年既に....
加波山」より 著者:服部之総
ある。しかもその変化が不思議と思わるる程の力を奮い起したことは、今更ながら、一大進境の種たりしを思わざるを得ない。自由の理を読んで心の革命を起せしはその年(明治....
獄中通信」より 著者:戸坂潤
ったか)。ウタは出来合いの言葉を便宜故に用いるのをなるべく避けること。併し仲々の進境だ。又ニュースをたのむ。 ――万象《ものみな》のものの生命《いのち》はさやけ....