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進水
「進水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
進水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
ことにひっかかると私はいつも不眠を殃《わざわ》いされた。眠れなくなると私は軍艦の
進水式を想い浮かべる。その次には小倉百人一首を一首宛思い出してはそれの意味を考え....
「写生文」より 著者:夏目漱石
》し来《きた》る福音《ふくいん》である。彼らのかいたものには筋のないものが多い。
進水式をかく。すると
進水式の雑然たる光景を雑然と叙《の》べて知らぬ顔をしている。....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、堀の岸には舟小屋が有って、未だ誰も乗った事のない、新しい小舟が有る、之を卸して
進水式を遣らかすも妙だろうと、独りで曳《えい》やッと引き卸し、朝風の冷々するにも....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
よこすべりして、ぼちゃんと海へおちて、うかぶようになっていました。つまり、あとは
進水式だけがのこっていたのです。
進水式のことを、青木学士も春夫少年も、どんな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
大砲の方は近々……船の一切が整うは多分来年の四月頃になりましょう。その時はひとつ
進水式をやりますから、また見に来て下さい」 「承知致しました、ぜひそれは見せてい....
「書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
て三笠が映っていた。軍艦という構造物ではなく、生きた一つの個体なのである。先ず、
進水式があげられて、彼女は海に浮ぶ。当時他に比肩するもののない美丈夫なのだ。日本....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
も重要なもので、多くの外国の教科書等にも同君のこの論文が引用されている。また船が
進水した時に気温と水温との差違のために意外な応力を生じる。これも以前には誰も詳し....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
ものの効能を高く買っていることがよくわかる。第五十一段の水車の失敗は先日の駆逐艦
進水式の出来損ねを思い出させる。 知識とは少しちがう「智恵」については第三十八....
「吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
の両端をつかんだまま、 「いや、まあこれは君の手で!」 「いけない、今夜とそして
進水日にはどうしても友達である君の手で!」 「志はありがたいが、俺にはそんな形式....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
備がないだけで、万事に近代科学の精を集めた当時の最新船である。一九〇八年の十月に
進水して、通商局とロイドの審査を受ける。「百点《ハンドレッド》、A1」としてパス....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
いのだ。一月でも、一日でも、いや一時間でも十分でも、はやくはやく、この潜水戦艦を
進水させなければならない。――だから武田博士の作業ぶりは、生命《いのち》がけの真....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
えられて憧憬れていた時であったから、彼岸の風を満帆に姙ませつつこの新らしい潮流に
進水した春廼舎の『書生気質』はあたかも鬼ガ島の宝物を満載して帰る桃太郎の舟のよう....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
《そろばん》を度外に置き全米の知能と技術を傾けて、未聞の新鋭汽船アドリァチックが
進水した。一八五八年のことだ。英国側は濠洲航路のために造られた超巨船一万八千九百....
「黒船前後」より 著者:服部之総
年で行われたが、汽船史上の最も興味のある時代はむしろ、フルトンのクレルモント号の
進水(一八〇七年)から数えて六十年間にわたる単式機関船時代にある。あらゆる技術上....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
といって涕泣した。それに心を動かされ、大船をつくらせて、入宋しようとしたが、船が
進水しなかったので、その望みは空しくなった。 建保六年、二十七歳の年、正月には....