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「進水式〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

進水式の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
ことにひっかかると私はいつも不眠を殃《わざわ》いされた。眠れなくなると私は軍艦の進水式を想い浮かべる。その次には小倉百人一首を一首宛思い出してはそれの意味を考え....
写生文」より 著者:夏目漱石
》し来《きた》る福音《ふくいん》である。彼らのかいたものには筋のないものが多い。進水式をかく。すると進水式の雑然たる光景を雑然と叙《の》べて知らぬ顔をしている。....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、堀の岸には舟小屋が有って、未だ誰も乗った事のない、新しい小舟が有る、之を卸して進水式を遣らかすも妙だろうと、独りで曳《えい》やッと引き卸し、朝風の冷々するにも....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
序だからというので子供の名附親から、嫁取り、婿取りの相談、養子の橋渡し、船の命名進水式、金比羅様、恵比須様の御勧請に到るまで、押すな押すなで殺到して来る。その忙....
豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
よこすべりして、ぼちゃんと海へおちて、うかぶようになっていました。つまり、あとは進水式だけがのこっていたのです。 進水式のことを、青木学士も春夫少年も、どんな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
大砲の方は近々……船の一切が整うは多分来年の四月頃になりましょう。その時はひとつ進水式をやりますから、また見に来て下さい」 「承知致しました、ぜひそれは見せてい....
書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
て三笠が映っていた。軍艦という構造物ではなく、生きた一つの個体なのである。先ず、進水式があげられて、彼女は海に浮ぶ。当時他に比肩するもののない美丈夫なのだ。日本....
徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
ものの効能を高く買っていることがよくわかる。第五十一段の水車の失敗は先日の駆逐艦進水式の出来損ねを思い出させる。 知識とは少しちがう「智恵」については第三十八....
霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
に見れば水掛け論に過ぎぬ。社会主義が奮然として赤旗を翻す時、帝国主義は冷然として進水式をやっている。電車のただ乗りを発明する人と半農主義者とは同じ米を食っている....
黒船前後」より 著者:服部之総
十一日。このあらゆる意味で画期的な海の巨人が、近代資本主義の祝福を一身に集めて、進水式を挙げる日である。「グレート・イースタアン」は六八〇フィートの長大な船体を....