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進級
「進級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
進級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
り、屋根には霜が降りていた。さすがにしんみりとした気持になるのだった。 二年に
進級する時、成績が発表された。首席になっていた。豹一はかなり幸福な気持になった。....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
を言うな。」 「けれどもここに起立していてはわたくしの部下に顔も合わされません。
進級の遅れるのも覚悟しております。」 「
進級の遅れるのは一大事だ。それよりそこに....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
へ行って、旅団長のために弁解して、師団長と激論した。そんなことから、旅団長の出す
進級名簿の中からは、いつも師団長の手で父の名が削られた。そしてついに比志島は休職....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
激越な口調のものにした。 国々を転々して、万年公使の綽名がついた頃、名誉大使に
進級の形式の下に彼は官吏を辞めさせられた。二三の新聞雑誌が彼のために遺憾の意を表....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は格別、その以上の学校に転じるものは、中等科を終ると共に退学するのが例であった。
進級試験は一年二回で、春は四月、秋は十月に行なわれた。それを定期試験といい、俗に....
「わが町」より 著者:織田作之助
「君チャンノオトウチャン」 と、右肩下りの字で説明がついていた。 間もなく、
進級式があった。 賞品をかかえて、校門から出て来る君枝の姿を、空の俥をひいて通....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
に学校で抜擢ということが流行って、少し他の生徒より出来がよければ抜擢してずんずん
進級せしめたのです。私もそれで幸いにどしどし他の生徒を乗越して抜擢されて、十三の....
「簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
くの必要はなく、通学の時間を毎日一ツ橋図書館に利用し、学校の方は試験だけを受けて
進級していた。 約二カ年にして卒業に近く、電機技術師になってしまうことを怖れて....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
少とも他の学科へ力を入れる事にして、図画で百点を取る事にきめた。要するに平均点で
進級するという方法なのだ。これは案外成功だった。やっとの思いで、美術学校へ入学し....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
かしてしまった。すでに私の心の中に彼は住んではおらなかった。 割合によい成績で
進級し最上級生になった私は、初めて一しょの級になった首席を通している女の子に好意....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
来た場合、夕飯を食べさせないくらいのことはするのだから。 ところで、彼が三年に
進級すると同時に、彼がせっかく二年越しで開拓して来た自由の天地に、大きなひびの入....
「穴」より 著者:黒島伝治
くし出さなければ、役目がつとまらなかった。役目がつとまらないということは、自分の
進級に関係し、頸に関係する重大なこと柄だった。 兵卒は、初年兵の時、財布に持っ....
「中庸」より 著者:坂口安吾
な時に当って予備に編入されるとは、よくよく無能と見込まれたものか。まだしも少将に
進級しての予備役ならば慰めるところもあったのだが、余は茫然自失、あまりの恥辱に自....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
意味をどうなりつかみ得たように思ったのは、それからふた月以上もたって、彼が二年に
進級したあと、はじめて白鳥会が開かれた晩のことだった。 その晩の話題は、期せず....
「地上」より 著者:島田清次郎
生活する少年平一郎は幸福である。幸福のうちに十五をおくり、十六の三月、彼は四年に
進級した。彼は首席ではないが、悪い成績ではなかった。 十六の春である。人間に恵....