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「進退〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

進退の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「尼提」より 著者:芥川竜之介
がき》をとり落した。 「まことに恐れ入りますが、どうかここをお通し下さいまし。」進退共に窮《きわ》まった尼提は糞汁《ふんじゅう》の中に跪《ひざまず》いたまま、こ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
っていたが、這入るのがいやなばかりに知らんふりをして通りぬけてしまったのだ。もう進退｜窮《きわま》った。彼れは道の向側の立樹《たちき》の幹に馬を繋《つな》いで、....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
｜艘あるのだが、船も大きいし、それに老練な漁夫が乗り込んでいて、他の船にかけ引き進退の合図をする）の船頭が頭をあつめて相談をし始める。どことも知れず、あの昼には....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
めて整然たる戦術であったのであります。多くの兵が密集して方陣を作り、巧みにそれが進退して敵を圧倒する。今日でもギリシャ、ローマ時代の戦術は依然として軍事学に於け....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
り大さの、野衾かと存じます、大蝙蝠の黒い翼に、燈を煽ぎ消されまして、いかにとも、進退度を失いましたにより、灯を頂きに参りました。 夫人 ただそれだけの事に。……....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
しでござりますが、お庇さまで、至って元気がようござりますので、御懇意な近所へは、進退が厭じゃ、とのう、葉山を越して、日影から、田越逗子の方へ、遠くまで、てんぼう....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
かったろう、わずかな途中の不自由とつまらない心配のために、こんな所に来てしまって進退はきわまってしまった。打ち明けねばならないことなのだけれども、友達にもまだ話....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
通の我を嫌うこと、蛇蝎もただならざるを知りながら、あたかも渠に魅入たらんごとく、進退｜隙なく附絡いて、遂にお通と謙三郎とが既に成立せる恋を破りて、おのれ犠牲を得....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
でなく、寺の屋根でもなく、影でなく、日南でなく、土の凸凹でもなく、かえって法廷を進退する公事訴訟人の風采、俤、伏目に我を仰ぎ見る囚人の顔、弁護士の額、原告の鼻、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
始末。七日十日｜逗留して故郷へ手紙を出した処で、仔細あって送金の見込はないので、進退｜谷まったのを、宜しゅうがすというような気前の好い商人はここにはない。ただし....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
安芳、榎本武揚の二氏に寄せてその意見を徴められしものなり。先生の本旨は、右二氏の進退に関し多年来心に釈然たらざるものを記して輿論に質すため、時節を見計らい世に公....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
合を忍んで、あえてその奇功を収めたる以上は、我事すでに了れりとし主家の結末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外にして片山里に引....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
技工の妙を伝聞して、当時の藩主の命じて刻ましめた、美しき小人の木彫は、坐容立礼、進退を自由にした。余りにその活きたるがごとく、目に微笑をさえ含んで、澄まし返った....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
上に投射せる己が影の長きより長し。 舷に倚り手を伸べて右の示指に綸を懸け、緩く進退しながら、 漁『松さん、鈴よりかの方が、脈を見るに確だね。』 船『左様です。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の指揮は恐らく中隊長に重点があったのであろう。横隊では大隊を大隊長の号令で一斉に進退せしむる事はほとんど不可能とも言うべきである。しかし当時の単位は依然として大....