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逸れる
「逸れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逸れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅」より 著者:宮本百合子
中で鬼ごっこをし、「いやあ」と逃げ出すはずみに溝へころげ込むように蠅共は、ついと
逸れる拍子に、紙へぶつかる。忽ち五六匹の蠅がとれた。どれも、充分育ち切っていない....
「青年」より 著者:森鴎外
人と云うと、新人とは漢語で花娵の事だと云って、僕を冷かしたのです」 話が横道へ
逸れるのを、純一はじれったく思って、又出直して見た。 「なる程旧人と新人というこ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
夢中だからな」 「こら、畜生! 道草を食うな」 権九郎は自棄に怒鳴りながら横へ
逸れる犬を引き締めた。「雪の降ってる冬の夜中だ。道草食うにも草はあるめえ、トット....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
け出した。見る見るうちに大きくなり、ニョッキリ前へ立ちはだかった。 それが横へ
逸れるかと思うと、庭の方へ歩いて行く。 「泥棒!」 とばかり飛び上がり、恐さも....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
手を組むことをおぼえだした。そして勝手気儘な道をたどって行くようになった。正道を
逸れることがあっても何とも思わない。埒があれば埒を踏み越えて行く。文芸との親しみ....
「神経」より 著者:織田作之助
はない。美術、舞踊、文学、すべて御多分に洩れず、それぞれの紋切型があり、この型を
逸れることはむつかしいのである。小説のような自由な形式の芸術でも、紋切型がある。....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
人に十日余りも遅れていて、なお仕上らなかった。 「人の眼を気にして針をもつと邪に
逸れる」 と、師匠は弟子たちを前にして言った。 「怕ろしいことだ。堕して立ち直....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ま小説的な宿縁をも、もっている。 西行を追って、なお書いて行くと、余りに横道へ
逸れるので、またひとまず、紙面で別れたが、西行の旅は、あれから武蔵国|葛飾郡の、....