逸事[語句情報] »
逸事
「逸事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逸事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が、誠に御無事な御生涯で、そのほかには何一つ、人口に膾炙《かいしゃ》するような御
逸事と申すものも、なかったからでございます。
六
その御話....
「竜」より 著者:芥川竜之介
裡《だいり》の内外《うちそと》ばかりうろついて居《お》る予などには、思いもよらぬ
逸事《いつじ》奇聞が、舟にも載せ車にも積むほど、四方から集って参るに相違あるまい....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。
貝原益軒
わたしはやはり小学時代に貝原益軒《かいばらえきけん》の
逸事を学んだ。益軒は嘗《かつ》て乗合船の中に一人の書生と一しょになった。書生は才....
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
(はじめに、黄村先生が山椒魚《さんしょううお》に凝《こ》って大損をした話をお知らせしましょう。
逸事の多い人ですから、これからも時々、こうして御紹介したいと思います。三つ、四つ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
付記 ぐずり松平について。 退屈男の第五話に見えるぐずり松平の事実は、隠れたる
逸事として徳川三百年中東海道に鳴りひびいた秘話中の秘話です。十七代連綿として相つ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
りを示した。 翁の塑像製作中、津上氏は古賀氏、佐藤氏、筆者等が傍で語る只圓翁の
逸事を聞きながら、 「愉快ですなあ。立派な人ですなあ。製作するのに気持ちがいいで....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
んでいる。 聞説、またかれは何人から耳にしたのか蕪村の風流をしたい、そが半生の
逸事佳話は一つとして識らざるなく、殊に驚嘆すべきは余財を傾けて蕪村の短冊一葉を己....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
らせ、國綱に一層の研を掛け、一節切に露取をさえ添え、是に加うるに俳優|澤村曙山が
逸事を以てし、題して花菖蒲沢の紫と号せしに、この紫や朱より先の世の評判を奪い、三....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
究なされた方々には一目瞭然であろうと考えられます。甚だしきは、歴史上実在の人物の
逸事として伝えられていることが、実は支那小説の翻案であったというような事も、往々....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
外曾祖父というは決して戯作好きの方ではなかった。少し常識の桁をはずれた男で種々の
逸事が残ってるが、戯作好きだという咄は残っていないからそれほど好きではなかったろ....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
願うと、依嘱れ畏々一ト夜を明したる事ありと、僕に話したが昔時の武辺者に、似通った
逸事の有る事を、何やらの随筆本で見たような気もする。 ◎これは些古いが、旧幕府の....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
「一尾結構、」と古川先生大いに満足して一尾の鰻を十倍|旨く舌打して賞翫したという
逸事がある。恩師の食道楽に感化された乎、将た天禀の食癖であった乎、二葉亭は食通で....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百屋お七か」と訊いたという奇抜な
逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
と挨拶された時は読売記者は呆気に取られて、暫らくは開いた口が塞がらなかったという
逸事がある。(この咄は桜木町時代に鴎外自身の口から直接に聴いたのである。) 鴎....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
南が流連して馴染の女が病気で臥ている枕頭にイツマデも附添って手厚く看護したという
逸事が載っているが、沼南は心中の仕損いまでした遊蕩児であった。が、それほど情が濃....