逸人[語句情報] »
逸人
「逸人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逸人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
最後、三人称を用いた小説さえ「わたくし」小説と呼ばれているらしい。これは勿論|独
逸人《ドイツじん》の――或は全西洋人の用法を無視した新例である。しかし全能なる「....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を叩いた。客は時に食堂に、この一組ばかりであった。 二 「今のは独
逸人でございますか。」 外客の、食堂を出たあとで、貴婦人は青年に尋ねたのである....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の調子を、もう一本上げたいほど高い処で張ってるのさ。貸本屋へしけ込むのは、道士|
逸人、どれも膏切った髑髏と、竹如意なんだよ――「ちとお慰みにごらん遊ばせ。」――....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
な建築が、寧ろ伯林のよりも効果的だと考えられるのである。日本で想像して居たより独
逸人の技巧は大まかだ。影か、骨か、何かが一けた足りなくて、あの徒らに高い北欧の青....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
し画の一枚に僕等人間と変りのない、目鼻のある歯車ばかり並べていた。(それは或|独
逸人の集めた精神病者の画集だった)僕はいつか憂鬱の中に反抗的精神の起るのを感じ、....
「雪の日」より 著者:岡本かの子
とはありませんでした。その労働者達の服装も一見むさぐるしいが、よく見ればやはり独
逸人の克明な清潔さがはっきり見えます。――即ち彼等の妻や娘らによって、よく洗濯さ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
家中の者に大事にされていた。どうも父はよく出来た人だった。私などは父に比べると放
逸人だ。晩年祖母が死病につかれた頃など祖母は父を一番好いていた。 ただ私の家か....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
、台本を訂正しなければならなくなった。 と云って、王クローディアスに扮する、独
逸人俳優ルッドイッヒ・ロンネは傍演出者を兼ねているのだし、レイアティズ役の小保内....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
か。最初に、この子の仮りの父となって暮すこと一月。いま『太平洋漏水孔』中にある独
逸人キューネより――とあります」 太平洋漏水孔――たった一字だががんと殴られた....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
えて自己満足の宗教を考え溜めたものらしい。もっともこの宗祖には師匠に当るやはり独
逸人の老人がいたのだが、犬に噛まれたのが元で死んでしまったという話を聴かされた。....
「全体主義」より 著者:国枝史郎
ろう。 それに、大哲カントやヘーゲルを産んだ独逸が、思索的な、余りに思索的な独
逸人が、全体主義に、ほんとうに首肯すべき哲学が無かったならば、何んでヒットラーの....
「独逸の範とすべき点」より 著者:国枝史郎
させて芸術を形成するのを特色としている。 敗戦して心身ともに困苦の極にあった独
逸人にとっては、従来の、自由主義的、自然主義的、印象主義的文学の、なまぬるい描写....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
かつてザクセンの建築学会で日本家屋論を講演した事がある、邦人にして独逸語を以て独
逸人の前で演説したのは余を以て嚆矢とすというような論鋒で、一々『国民新聞』所載の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
官僚の寵児で、礼儀三千威儀三百の官人|気質の権化であったから、豪放|洒脱な官界の
逸人高橋自恃庵が作った放縦自由な空気は忽ち一掃されて吏臭紛々たる官場と化してしま....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
井勇も長田秀雄も若かった。ゲエテの門番の孫で、伊上凡骨の弟子の猿づらの彫刻家|独
逸人のフリッツ・ル※プも若かった。桐の花とカステラの時代だ。緑金暮春調の時代だ。....