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逸話
「逸話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逸話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
だと云う事は日頃からよく心得ている。そこで咄嗟《とっさ》に、戦争に関係した奇抜な
逸話を予想しながら、その紙面へ眼をやると、果してそこには、日本の新聞口調に直すと....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
集って、新聞を読んだり、駄弁《だべん》をふるったりしていた。新聞に出ている先生の
逸話《いつわ》や、内外の人の追憶が時々問題になる。僕は、和辻さんにもらった「朝日....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
《ひとなつ》こい性格も持っていられた。……」
少将はほとんど、感傷的に、将軍の
逸話《いつわ》を話し出した。それは日露戦役後、少将が那須野《なすの》の別荘に、将....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の中に数え、後のちまでも自慢にしていたそうである。
十七世紀の仏蘭西はこう云う
逸話の残っている程、尊王の精神に富んでいたと云う。しかし二十世紀の日本も尊王の精....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
てある妙な本屋と知合いになって、そこからいろんな本を買って来て読んでいた。修身の
逸話を集めた翻訳物のようなのも持っていた。また誰も知らない、四、五冊続きの大きな....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
した実例に満ち満ちている。その物語には必ずその持ち前の楽しみもあり教訓もあろう。
逸話、寓言、警句も豊かにあろう。生きていたことがないから死んだこともないあの愉快....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
なのに、「あれ。」と飛退いたり。取留めのないすさびも、この女の人気なれば、話せば
逸話に伝えられよう。 低い山かと見た、樹立の繁った高い公園の下へ出ると、坂の上....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
中から――空腹をしめていたかどうかはお察し下さい――懐中から出すと、手代が一代の
逸話として、よい経験を得たように、しかし、汚らしそうに、撮んで拡げました。 (よ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
……天麸羅のあとで、ヒレの大切れのすき焼は、なかなか、幕下でも、前頭でも、番附か
逸話に名の出るほどの人物でなくてはあしらい兼ねる。素通りをすることになった。遺憾....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
流の荒事という独特な芸術をすら生んだのだ。 荒事といえば二代目の団十郎にこんな
逸話がある。それは或る時座敷に招ばれて、その席上で荒事を所望されたので、立上って....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
ずっと下って僕等よりもっと年の若い人にまで原稿を通じて交渉があって、色々の作家の
逸話を知っていられるので、もし今後中央公論の編輯を誰かに譲って閑な時が来るとした....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
スの研究が済んだ後も、引き続いてファラデーの助手。 アボットの話に、次のような
逸話がある。アンデルソンの仕事は炉をいつも同じ温度に保ち、かつ灰の落ちる穴の水を....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
の価値もあれば、尊さもあるわけでございますが、そうした優れた芸術家の歴史に有名な
逸話の実際の結晶である絵本類がそのように容易く、今日の古雑誌を購うのと同様に買い....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
それにつき鴎外の性格の一面を窺うに足る一挿話がある。或る年の『国民新聞』に文壇
逸話と題した文壇の楽屋|咄が毎日連載されてかなりな呼物となった事があった。蒙求風....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
扮して公使館を訪ね、夫人の手からお布施を貰われたというような話も、いまだに一つの
逸話として残っているくらいで、とにかく仏門に入るということは普通の習慣になってい....