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逼塞
「逼塞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
逼塞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
いう米屋の娘で、商売の手違いから父母はことし十五の妹娘を連れて、裏家《うらや》へ
逼塞《ひっそく》するようになり下がった。それが因果で自分は二百両という金《かね》....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
俺を救ってくれ、俺は破産した自分の家名を興す重任を帯びているのだ。食うや食わずで
逼塞《ひっそく》している俺の両親は、俺の成業を首を長くして待っているのだ。ここを....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ご》がこの春ぽっくりと他界いたしましてからというもの、見る目もきのどくなほどのご
逼塞《ひっそく》でござりましてな、器量よしのまだ若い母御が残ってはおりますという....
「河明り」より 著者:岡本かの子
った。ふだんの繁劇な都会の濠川の人為的生活が、雪という天然の威力に押えつけられ、
逼塞した隙間から、ふだんは聞取れない人間の哀切な囁きがかすかに漏れるのを感ずるか....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
りは女親の手で育てられたのです。勿論、株家督があるというでは無し、芳町のうら店に
逼塞して、おふくろは針仕事や洗濯物をして、細々にその日を送っているという始末です....
「縮図」より 著者:徳田秋声
の妻の姉に愛され、踊りや長唄を、そのころ愛人の鹿島と一緒に、本郷の講釈場の路次に
逼塞し、辛うじて芸で口を凌いでいた、かつての新橋の名妓ぽん太についてみっちり仕込....
「足迹」より 著者:徳田秋声
宿を出そうと思いついたのは、この事務所を畳んでから、一家が丸山の隣の小さい借家へ
逼塞してからであった。それまでに会社の方はパタパタになっていた。欠損を補うべき金....
「爛」より 著者:徳田秋声
のあるらしいことが、じきに浅井の目に感づかれた。浅井は商業に失敗して、深川の方に
逼塞しているその伯父と一度会見すると、こっちから逆捻じを喰わして、少しの金で、事....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の如く同じところを飛び上っています。 二十五 栃木の大中寺に
逼塞《ひっそく》の神尾主膳は、このごろは昔と打って変った謹慎の体《てい》でありま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。なるほどいずれも相当にしたい三昧《ざんまい》をし尽した報いで、こんな狭い天地に
逼塞《ひっそく》はしているけれど、以前を言えば駒井の上に出でるものはいくらもある....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
。 日清戦争以後からは浪花節が流行して来た。その以前の浪花節は専ら場末の寄席に
逼塞して、聴衆も下層の人々が多かったのであるが、次第に勢力を増して来て、市内で相....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
又、北畠の残党や、楠氏の残党その者達である。で、そういう武士達は、時勢がだんだん
逼塞し、生活苦が蔓延するに従い、個人で単独に行動していたのでは、強請、押借という....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
様やその他の公卿衆に、弾圧をお加えなさいましたはずで。爾来徳大寺大納言様には、ご
逼塞のごようすでございますなあ。ところが大納言様には以前からご贔屓にあずかってい....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
。それから一年ほどの後に、甚五郎は身持|放埒の廉を以って留守居役を免ぜられ、国許
逼塞を申付けられた。 さてその本人のお安という女は、病気のために死んだかどうだ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
政治的不安や経済的行き詰まりにいよいよ恐慌を増して来ましたこの頃では、金融は全く
逼塞してしまいましたので、日本の大多数の人々は、その命つなぎの金にさえ不自由する....