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遅かれ早かれ
「遅かれ早かれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遅かれ早かれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
るには及ばない。しかし次郎左衛門の身代の潰れたことまでは……。いや、それもどうで
遅かれ早かれ知れることで、秘し隠しにしようとするのは卑怯というもの。わたしが自身....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
入れをすることが出来ねえ。しかし斯《こ》うなりゃあ生洲《いけす》の魚《うお》だ。
遅かれ早かれ、こっちの物よ」 吉五郎は冷えた猪口《ちょこ》を飲みほして、自信が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蔵はたいそう口惜《くや》しがって、どうでおれは遠島船を腰に着けている人間だから、
遅かれ早かれ御用の声を聞くのは覚悟の上だが、いざお縄にかかるという時には、江戸で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
雪の口からみな文字春の耳にはいるので、彼女はいよいよ暗い心持になって、津の国屋は
遅かれ早かれどうしても潰れるのではあるまいかと危ぶまれた。 八月になって、津の....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
なかった。水兵はブイにとりついたものの、見る見る遠ざかるばかりだった。彼の運命は
遅かれ早かれ溺死するのに定まっていた。のみならず鱶はこの海にも決して少いとは言わ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
きのうのきょうだから、おかしい。 ◯「帝都住宅の地下室化」を提唱す。つまり敵弾で
遅かれ早かれ焼かれてしまうであろうから、焼けるのを待つよりいっそのこと、その前に....
「火星兵団」より 著者:海野十三
地表にいる人間がやられる時、坑道の底にいる人間は、まだ生きています」
「しかし、
遅かれ早かれ、坑道の底にいても、やられるではありませんか」
「それは仕方がありま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
い幻影が再び浮かんでくるのである。しかもそんなことを長く続かせるのはむずかしい。
遅かれ早かれ何物かが美しい世界へ踏み込んで来て、迷える魔術師を跪拝せしめなければ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
だから、なかなかもつて傍観などをしている段ではなくなつてくるのである。 しかし
遅かれ早かれ将来においてはふたたび傍観する時がくるはずである。そのときいかなる立....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
みじみ言ったが、「もっともね、あの病気は命にどうこうという心配がないそうだから、
遅かれ早かれ、いずれ直るには違いないから気丈夫じゃあるけど、何しろ今日の苦しみが....
「唇草」より 著者:岡本かの子
えていませんが、しかし、肉体的情感でも、全然肉体に移して表現して仕舞うときには、
遅かれ早かれその情感は実になることを急ぐか、咲き凋んで仕舞うかするに決ってること....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
りの貧乏だから、若い娘を印刷工場へ通わせて置くが、いつまでそうしても置かれない。
遅かれ早かれ他へ縁付けなければならないのだ。(又笑う。)高田さんは善い人だよ。 ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
信」、明治座に「歌舞伎物語」、「破戒曾我」などを上演させた。 “不入の間”の扉が
遅かれ早かれ開放されるのは自然の勢いで、かならずしも両君の力ばかりとは言えないか....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
かりしてもらわないと、あまり神経を痛めてまた病気の方を重くしても困りますからね。
遅かれ早かれ一度はこういう時期が来るんでしょうからね、まあ諦めるほかないでしょう....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
言作者としての位地を確立したのであるという。 勿論、黙阿弥翁のことであるから、
遅かれ早かれ世に出るには相違ないが、ここに「児雷也豪傑譚」という評判物の草双紙が....