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「遅くも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遅くもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
》支配|頭《がしら》から改めて触れ渡された。この上はしょせん長逗留は相成るまい。遅くも来月の十日頃までには、一同京地を引き払うことになるであろう。お前に逢うのも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
祭りでもないと思ったが、どうしても顔出しをしなければ義理の悪いところがあるので、遅くもこれからちょっと廻って来ようと、半七はここで利兵衛と別れた。 浅草の並木....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことがありますかえ」 「祈祷などを頼まれて、夜も昼も出あるくことはありましたが、遅くもきっと帰って来まして、家をあけたことは一と晩もなかったようです」と、伊助は....
追憶」より 著者:芥川竜之介
る。僕は数え年の四つの秋、新しい家に住むようになった。したがって古家を毀したのは遅くもその年の春だったであろう。 二 位牌 僕の家の仏壇には祖父母の....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の建築は危険極まりないことは周知の事実であります。国民の徹底した自覚により国家は遅くも二十年を目途とし、主要都市の根本的防空対策を断行すべきことを強く提案致しま....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は知っている通りのことを話した。 「ははア、午後八時十分前目黒駅前ですか。すると遅くも八時半までには帰って来られる筈だ。さあそれが分れば一同に知らせた上、その道....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
である。なにしろ非常の大入りである上に、日曜日などは殊に混雑するので、午前四時か遅くも五時頃までには劇場の前にゆき着いて、その開場を待っていなければならない。麹....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
食を済せ、夫から多くはゲルボアの珈琲館に入り昔友達と珈琲を呑だり歌牌を仕たりして遅くも夜の十一時には帰て来て寝床に就きました、ですが唯た一つ悪い事にはあの年に成....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
を喜びながら、言った。「うちへ帰って寝るのさ。さあさあ! ――そのほうが利口だ。遅くもなるし、それに、君はあの約束を覚えてるだろう」 「ジュピター」と彼は、私の....
獄中消息」より 著者:大杉栄
ちょうど一年になる。早いと言えばずいぶん早くもあるが、また遅いと言えばずいぶん遅くもある。妙なものだ。 窓ガラスに映る痩せこけた土色の異形の姿を見ては、自分....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ブランドリーが吾々を探しに伴船を出すことになっているが、それよりも早くもなければ遅くもない、と彼に言った。「ですから御自分で計算してみて下さい。」と私は言った。....
村芝居」より 著者:井上紅梅
度見せてくれとも言えなかった。 まもなく松林は後ろの方になった。船あしは決して遅くもなかったが、あたりは黒く濃く、夜更であることが知れた。彼等は芝居を罵り笑い....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
答えて、奥さん我々は来年の春から夏へかけて、餓死するであろうというのであるから、遅くも田植え頃までには一家親族が飢え死に、死に絶えるかも知れません。してみると、....
三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
である。なにしろ非常の大入りである上に、日曜日などは殊に混雑するので、午前四時か遅くも五時頃までには劇場の前にゆき着いて、その開場を待っていなければならない。麹....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ねえよ、それでは金子をもって大夫のお宅まで来て下さい」 伊「へえ、金子を持参して遅くも夕景までには頂戴に出ますが、何方さまでございます」 正「ナニ、あの、八橋畠....