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遅れ
「遅れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遅れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
寧《むし》ろお鈴の思惑を考え、半月形の窓越しに熱心に事務員と交渉した。
「実は手
遅れになった病人だしするから、せめて火葬にする時だけは一等にしたいと思うんですが....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
額を畳につけると、相不変朗読《あいかわらずろうどく》でもしそうな調子で、
「申し
遅れましたが、私《わたくし》は中村玄道《なかむらげんどう》と申しますもので、やは....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
を窺《うかが》って歩いた。敵打の初太刀《しょだち》は自分が打ちたい。万一甚太夫に
遅れては、主親《しゅうおや》をも捨てて一行に加わった、武士たる自分の面目《めんぼ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
らしい。ただ心もち俯向《うつむ》いたなり、さっさと人ごみを縫って行くんだ。何でも
遅れずに歩くのは、牧野にも骨が折れたそうだから、余程《よっぽど》先を急いでいたん....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
るよりも、ずっと危《あやう》いのではないかと思った。あるいはもう入院させても、手
遅れなのではないかとも思った。しかしもとよりそんなことにこだわっているべき場合で....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
来るかどうか、いよいよ怪しい心もちがする。殊に試験でも始まっていれば、二日や三日
遅れる事は、何とも思っていないかも知れない。
遅れてもとにかく帰って来れば好《い》....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
っていた。彼はこの時刻の相違を時計の罪だと解釈《かいしゃく》した。「きょうは乗り
遅れる心配はない。」――そんなことも勿論思ったりした。路に隣った麦畑はだんだん生....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
議士である。代議士は蟹の仇打ちは武士道の精神と一致すると云った。しかしこんな時代
遅れの議論は誰の耳にも止《とま》るはずはない。のみならず新聞のゴシップによると、....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
のに違いなかった。僕はもう一度O君にも聞えるかどうか尋ねようとした。すると二三歩
遅れていた妻は笑い声に僕等へ話しかけた。
「あたしの木履《ぽっくり》の鈴が鳴るで....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
きば》を剥《む》いて見せた。
しかしその間は、まだ好かった。ある朝彼は女たちに
遅れて、例の通り瀑《たき》を浴びに行った。季節は夏に近かったが、そのあたりの桃は....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、それが気になって仕方がない。……」
――ふと気がつけば彼の馬は、ずっと将軍に
遅れていた。中佐は軽い身震《みぶるい》をすると、すぐに馬を急がせ出した。ちょうど....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
束通り、一思いに命をとってやるぞ」 婆さんはナイフを振り上げました。もう一分間
遅れても、妙子の命はなくなります。遠藤は咄嗟に身を起すと、錠のかかった入口の戸を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
年一月三十一日附であったが、妙なことには雑誌アントロギアの一八三一年の十一月号の
遅れたのに出たのでように思われた。 ファラデーはノビリ等の論文を英訳して、これ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
は、前に進むどころか、横へそれて、垣根にわきばらをぶつけてしまった。イカバッドは
遅れたために恐怖がますますつのり、手綱をぐいっとばかり反対側にひき、他方の足で力....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ささせて、走って行きました。太郎右衛門は、根がはしっこくない男でしたから、多助に
遅れて、一人で坂を下りて行きました。太郎右衛門が伊作のいたところへ着いた時には、....