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「遅参〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遅参の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
緒にそちのところへも火急出仕の使いが参った筈なのに、その方ひとりだけ、このように遅参したのも不審の種じゃ。のう! 何ぞ仔細があろう。かくさずに言うてみい!」 「....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
裁だが、どうだ」 男「随分|穢いなア」 又「実に貧窮然たる有様だて」 男「大きに遅参したよ」 又「今日君が来なければ、些としょむずかしい事を云おうと思っていた」....
巌流島」より 著者:直木三十五
て走出た。そして渚に近よって、 「武蔵殿、拙者は辰の上刻前に渡っているに、余りの遅参不届で御座らぬか」 と声をかけた。武蔵それを聞いたか聞かぬか黙って口許に笑....
」より 著者:宮本百合子
臨終の翌日であった。彼は、居並んだ人々にせわしく一わたり頭をさげると、すぐ幾枝に遅参を詫びた。 「――実に驚きましたね、前から悪かったことなんぞちっとも知らなか....
旅愁」より 著者:横光利一
た一人中年の農家の者が一行の群れに混った。この人は矢代の方へ進み出ると、低い腰で遅参を詫びたが、矢代はこの人も知らなかった。浄瑠璃の老婆は傍から、 「この人は、....
鳥料理」より 著者:堀辰雄
いる それから発せられている※は私の空想を大いに刺戟《しげき》している 「おれは遅参者だ……一足遅れたばかりに、きっとおれを喜ばせたに相違ない、何かの惨事に立会....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に茫然《ぼうぜん》として、ちょっとの間一言も発することができなかった。彼は自分の遅参のことばかり考えていた。遅参したとてかかる乱暴な目に会う訳はなかった。彼はつ....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
の人々もおいおいに集まって来たが、石川はまだ見えなかった。これが常の場合ならば、遅参の一人や二人は除け者にして、すぐに歌留多に取りかかるのであるが、今夜にかぎっ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、肩も、裾も、濡れていた。八郎太が、座へつくと、小太郎は、益満の後方へ坐って 「遅参致しまして、相済みませぬ」 と、平伏した。 「それで、手が、廻ったとは?」....
三国志」より 著者:吉川英治
と、呼びにやると、ようやく文聘はあとから来て、列将の端に立った。 「何ゆえの遅参か。申しひらきあらばいえ」 曹操から譴責されて、文聘は、愁然とそれに答えた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だしい。武時入道には何しておられた。すでに御会議はすすんでおる」 「ほ。さほどな遅参とも心得ぬが」 「それじたいが、いかに今日の時局へも無関心かを、尊公みずから....