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遅延
「遅延〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遅延の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
楚の干将莫邪は楚王の命をうけて剣を作ったが、三年かかって漸く出来たので、王はその
遅延を怒って彼を殺そうとした。 莫邪の作った剣は雌雄一対であった。その出来たと....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ワイマール侯ウイルヘルムの劣悪な兵質は、アルンハイムとの競争に敗れて、王の支援を
遅延せり。しかも、ノイエンホーエンの城内にて、その事をいたく非難されしも、ウイル....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
出来るだけ慎重審議する。その結果罪の決定を見るまでには多大の時日を要する。断罪の
遅延する事は屡※問題となり、既にシェークスピアの戯曲中のハムレット皇子が厭世観に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にも願いたてまつり候。右貴答早速申し上ぐべきところ、愚娘説諭方数度に及び、存外の
遅延、かさねがさねの多罪、ひたすら御海恕下されたく候。尚々、老母はじめ、家内のも....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
髯を、口惜しげに引き※った。 「おい、高村! 一体お前はどうするんだ。この輸送が
遅延する責任をどうするんだ。貴様等は、実に悪辣な利益を貪る以外には、少しも国家的....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
か、鮒を飼うか」 それは無用の港を開設するのを嘲っているようでもあれば、工事の
遅延して港にならないのを嘲っているようでもあった。小右衛門は同行の武士を見た。そ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
つとめた。四角張った言葉使いを彼にしだした。 クリストフは彼女が女主人になんと
遅延の言い訳をするか、それを気にしていた。彼女はほとんど気にかけてもいなかった。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
隧道《すいどう》が崩壊した、ということが旅客らに伝えられた。どの列車もみな数時間
遅延していた。クリストフはローマ直行の切符をもっていたが、他の乗客らの物議をかも....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
私に残ってるところを数えてみよう。 判決がくだされた後、上告のために三日間の
遅延。 重犯裁判廷の検事局で八日間の閑却。その後で彼らのいわゆる一件書類が大臣....
「白痴」より 著者:坂口安吾
心の中の一角から張りさけるような悲鳴の声が同時に起ったような気がした。この一瞬の
遅延の為に焼けて死ぬ、彼は殆ど恐怖のために放心したが、再びともかく自然によろめき....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
ざいますね。この四五日、一粒も頂かないんでございますよ。」 米の配給はどこでも
遅延していたが、それでも……千枝子には意外だった。 「何をあがっていらしたの。」....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
さしている深い憂鬱の影など、へんに気にかかってくるのだった。それから、彼の旅行の
遅延、天元社の不正事件、紹興の主人との不明な関係、いろいろなことが気にかかってき....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
っているといったふうであった。そして、十時半になると、次郎は、予告どおり、一分の
遅延もなく廊下のスウィッチをひねり、塾生たちの室の電燈を全部消してしまった。電燈....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
に「来春、九州肥前に営すべし、時日を移さず、降幡を偃せて来服すべし、もし匍匐膝行
遅延するに於ては、速かに征伐を加うべきや必せり」と記させた。何という恫喝的な、強....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
下に於いて、漸次発表したいと思っている。 最後にお断りしたいのは、本誌の発行の
遅延と、編纂の不行届きとの点である。特に収録中の各編が、繁簡宜しきをえず、前後重....