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「遊冶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊冶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
られていた。しかも漢詩漢文や和歌国文は士太夫の慰みであるが、小説戯曲の如きは町人遊冶郎の道楽であって、士人の風上にも置くまじきものと思われていた故、小説戯曲の作....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りすることさえある。 大臣かむりといってお大名式なのもある。吉原かむりといって遊冶郎《ゆうやろう》式なのもある。上の方へ巻き上げた米屋さんかむりというのもある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らかじめ聞いておくべき必要はない。しかし拙者が肩を入れるとしてもだ、世間の金持の遊冶郎《ゆうやろう》のするように、大金を抛《ほう》り出して、馬鹿を尽した引かせ方....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
スも喜んでエーグルフイユによってカンバセレスの家に導かれるだろう。ローマの四人の遊冶郎《ゆうやろう》アルセジマルクス、フェドロムス、ディアボルス、アルジリッペは....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら》のたまらない銀行家が昨日その娘に思いをかけたんだ。実に女という奴は、金盗人と遊冶郎とにばかり目をつけてやがる。牝猫《めねこ》は鼠《ねずみ》と小鳥とを追っかけ....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
優しければ高運なれども、或は然らず世間に珍らしからぬ獣行男子にして、内君を無視し遊冶《ゆうや》放蕩の末、遂には公然妾を飼うて内に引入れ、一家妻妾群居の支那流を演....
南国太平記」より 著者:直木三十五
太郎は、俯向いて、耳から、首筋まで、赤くなっていた。 「剣客の覚悟、士の用意と、遊冶郎《ゆうやろう》の情死との間に、如何の差かある?」 「はい」 「判らぬか」 ....
経世の学、また講究すべし」より 著者:福沢諭吉
れを随意に任してその飽くを待つの外に術《すべ》なしという。また東京にて花柳に戯れ遊冶《ゆうや》にふけり、放蕩無頼の極に達する者は、古来東京に生れたる者に少なくし....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
の意味なきに非ざるべし。 その趣《おもむき》は、老成人が少年に向い、直接にその遊冶放蕩《ゆうやほうとう》を責め、かえって少年のために己《おの》が昔年の品行を摘....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
を御するの法いかがすべきや。これを導きて人となさんとするには、まずその飲酒を禁じ遊冶《ゆうや》を制し、しかる後に相当の業につかしむることなるべし。その飲酒、遊冶....
上野」より 著者:永井荷風
の温泉旅館と称するものは旅客の宿泊する処ではなくして、都人の来って酒宴を張り或は遊冶郎の窃《ひそか》に芸妓矢場女の如き者を拉して来る処で、市中繁華の街を離れて稍....
教育の事」より 著者:福沢諭吉
く》することあるべし。この他なお細かに吟味せば、蓄妾淫奔《ちくしょういんぽん》・遊冶放蕩《ゆうやほうとう》、口にいい紙に記すに忍びざるの事情あらん。この一家の醜....
霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
社会には美しい方面がある。しかしこれを汚さんとする悪の勢力ははなはだ強い。一人の遊冶郎の美的生活は家庭の荒寥となり母の涙となり妻の絶望となる。冷たき家庭に生い立....
革命の研究」より 著者:大杉栄
ら、すでに死につつある時に、いわゆる恐怖時代が始まったのだ。そしてハイカラどもや遊冶郎どもが隊を作って民衆を侮辱し、赤い拍車の生活に戻って、すでにフランスの四分....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
た一人じゃ松島遊廓は危険です。ことにそんなふうをしてござったら昼でもならずものと遊冶郎の多いところですから乱暴しないとも限りませんから、私がついて行ってさんじま....