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遊民
「遊民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遊民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んでしまったことに驚嘆している。
作家所生の言葉
「振っている」「高等
遊民」「露悪家」「月並み」等の言葉の文壇に行われるようになったのは夏目先生から始....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
とが許されないのである。むろん彼らはそれに満足するはずがない。かくて日本には今「
遊民」という不思議な階級が漸次《ぜんじ》その数を増しつつある。今やどんな僻村《へ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
悲惨な境遇に置かれていた。 こういう余儀ない事情はかれらを駆って放縦懶惰の高等
遊民たらしめるよりほかはなかった。かれらの多くは道楽者であった。退屈しのぎに何か....
「東京八景」より 著者:太宰治
いの仕事の手伝いなどを、はじめていた。けれども、こんどは、なんの情熱も無かった。
遊民の虚無。それが、東京の一隅にはじめて家を持った時の、私の姿だ。 そのとしの....
「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
遊民は如何なる国、何れの時代にもある。何所の国に行っても全国民が朝から晩まで稼い....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ては何等の位置も権力も無かったのである。渠等が幅を利かすは本屋や遊里や一つ仲間の
遊民に対する場合だけであって、社会的には袋物屋さん下駄屋さん差配さんたるより外仕....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
か。俳諧風雅の道は日本文化を貫ぬく民族的潜在意識発露の一相である。その精神は閑人
遊民の遊戯の間ばかりではなくて、あらゆる階段あらゆる職業の実際的積極的な活動の間....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
阻止されるとなると、役に立たない人格者ばかりが卒業して、当局が気にしている「高等
遊民」の数ばかりが殖えることは必然だが、それはどうなるというのだろうか。――それ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
勉強とかに振り分ける余力はない。新吉はすっかり巴里の髄に食い入ってモンマルトルの
遊民になった。次の年の巴里祭前にも彼が留学の目的にして来た店頭装飾の研究には何一....
「微笑」より 著者:豊島与志雄
。 「友人の家へ碁を打ちに行くんです。笊碁ですがね。」 「ははあ、やはり君も高等
遊民の類ですね。」 私は一寸返答に迷った。 「僕もやはりそうですよ。」と彼は続....
「或る素描」より 著者:豊島与志雄
え込んでいて、あれで何が面白いのかな。亡国の民という感じだね。もしくは、世紀末の
遊民……というにも余りに気が利かなさすぎる。全く亡国の
遊民だね。日本にもあんな連....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
っ児に作られてる者ではない。換言すれば、二枚の羽子板の間の羽子《はね》のように、
遊民と暴民との間を常に行ききするように作られてる者ではない。貞節の士の夢のごとき....
「決闘」より 著者:神西清
ぬかの戦が必要なのだ。ところで僕は一体どんな戦士かね。憫れむべき神経衰弱患者だ、
遊民だ。……そもそもの初日から僕は、せっかく考えていた勤労生活とか葡萄畑とかいう....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
ーニノフ家の教養ある空気。 第二楽章。軽快調から漸次急調子に。――画家が自分の
遊民的生活に感じる不満。しかも社会事業家型の姉娘よりも、純な妹娘の方に牽かれる心....
「妾宅」より 著者:永井荷風
看板の瑕《きず》に等しき悪名《あくみょう》が、今はもっけの幸《さいわい》に、高等
遊民不良少年をお顧客《とくい》の文芸雑誌で飯を喰う売文の奴《やっこ》とまで成り下....