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「遊興〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊興の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ませて打ちだす太鼓の音が、変に肉感と冒険心とをそそりたてて響いてきた。ただ一度の遊興は柿江の心をよけい空想的にして、わずかな光も漏らさない窓のかなたに催されてい....
競馬」より 著者:織田作之助
あり勝ちな、小心な律義者《りちぎもの》で、病毒に感染することを惧《おそ》れたのと遊興費が惜《お》しくて、宮川町へも祇園《ぎおん》へも行ったことがないというくらい....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
に、六三郎は手拭に顔を包んでそっと福島屋へ訪ねて行った。今の身の上で晴れがましい遊興はできない。彼はお園を格子口まで呼び出して、そのやつれた蒼白い顔を見せた。こ....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
下であるので、半九郎は源三郎を弟のようにも思っていた。 「兄の放埒も悪かろうが、遊興の場所へ踏ん込んで無理に引っ立てて帰るはちっと穏当でない」と、半九郎はなだめ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
。相かわらず、ぞおっとする想いで赤井の顔が泛んで来た。ひょっとしたら、赤井は無銭遊興で拘引されているのと違うやろかと思うと、もうへとへとになるまで歩きまわるのが....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
批判して不愉快になったのでは無い。(ましてX夫人は兼てから文人達の会合等に一種の遊興的気分を撒いて歩く有閑婦人だった。善良な婦人で葉子はむしろ好感を持っては居る....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
一人や二人で乗るのでなくて、中に芸者の二人も混ぜて、近くは牛島、遠くは水神の森に遊興したものである。 ◇ 向島は桜というよりもむしろ雪とか月とか....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
いるのだから、見物の身にしてみればやりきれたわけのものではない。何のことはない、遊興してよい気持になりかけると入りかわり立ちかわり借金取りが現われるようなもので....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
天狗物をやらせても、片輪、いたずら、悪気のない物、争い物をやらせても、僧侶物から遊興物、婿取り物から夫婦物、盗人物から悪人物、何から何までやらせても、いつも名人....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
して、何も知らずに試みに来た様子。主人四郎兵衛は一時は商売並みにこの坊さんたちを遊興させて銭儲けをしようかとも思いましたが、二人の様子を見るのに余りに俗離れがし....
軽女」より 著者:上村松園
、貞淑のほまれ高い内室までも離別して、豊岡の石束家へ返してしまった。 その後の遊興三昧のさまは目にあまるものがあった。同志の人々でさえ、内蔵助の真意を解しかね....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
んですの。ちょっと一座敷、抜け荷を売りゃ……すぐに三十と五十さ、あなた。あなたの遊興は、うわになるわ。 もう一息、目を眠って、――直さん……」 (――直さんの....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
るに二人の客に対して、等分に世辞愛嬌を振蒔いたと云うに過ぎまい。随って其時だけの遊興ならば兎こうの論は無いが、若し市郎が其後も柳屋へ通っている様ならば、少しく警....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
考うるに北海道のアイヌが主要捕獲物たる熊の為に熊祭を行い、酒宴を催して多人数歌舞遊興すると同じ意味において、奥羽地方では鹿供養が行われて民衆が相ともに歌舞宴楽し....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
国の後もこれを用うるに至り、日本の輸出品これより増加すること。第三に、日本従来の遊興技芸(例えば書画、碁、将棋、茶の湯、挿花等)、外国人のいまだその用を知らざる....