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「遊船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
》で、双方とも役者が悪くないから味な幕切《まくぎれ》を見せたのでした。 海には遊船《ゆうせん》はもとより、何の舟も見渡す限り見えないようになっていました。吉は....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と土地の人たちが云うのに励まされて、七時頃から二人は自動車に乗って出た。 箱根遊船会社が拓いたという専用道路をのぼって行くと、一路平坦、殊に先刻から懸念してい....
夜の隅田川」より 著者:幸田露伴
妻橋の上流は、春の夜なぞは実によろしい。しかし花があり月があっても、夜景を称する遊船などは無いではないが余り多くない。屋根船屋形船は宵の中のもので、しかも左様い....
石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
マルカ》が終った朝、ニージュニ・ノヴゴロドからイリイッチ号という小ざっぱりした周遊船にのって、秋のヴォルガを五日かかってスターリングラードまで下り、そこからコー....
指紋」より 著者:宮本百合子
漂着したときの目じるしに、いろいろ風の変った入れずみをする。だからと云って世界周遊船の旅客に、あなたも同じ海の上、同じ船の上での旅なのだから、万一のため、と入れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
題もおのずから氷釈するに違いありません。通俗に考えれば、これは、てっきり、柳橋の遊船宿に駒井甚三郎を訪ねて出かけたものに相違ない――お角ほどの女が、その時分に息....
家なき子」より 著者:楠山正雄
を聞いた。その声はすぐ後ろから聞こえた。わたしはあわててふり向いた。 一せきの遊船が堀割の中に止まっていた。その小舟を引っ張っている二ひきの馬は、向こう岸に休....
話の種」より 著者:寺田寅彦
でこれを使用している灯台船が五十六艘、汽船が二百十艘ある。英皇およびドイツ皇帝の遊船にもこの装置を備えてあるそうだ。 (明治四十年十月三十一日『東京朝日新聞』)....
深川女房」より 著者:小栗風葉
之助の泊っているのは霊岸島の下田屋という船宿で。しかしこの船宿は、かの待合同様な遊船宿のそれではない、清国の津々浦々から上って来る和船帆前船の品川前から大川口へ....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
第八回 暑さは金《かね》をとかすともいうべきほどの水無月《みなづき》に、遊船宿と行燈《あんどう》にしるせる店へ。ツト入り来たりし男年ごろ二十四五なるべく....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ましょう。……とにかく、あたしはそんな騒ぎを見るのはいやだから、横浜へ着いたら快遊船《ヨット》を降りて、ひとりでカナダへ帰ります。……あとは、あなたがいいように....
尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
の修繕もなさなければならず、赤貧の山人苦心惨憺たるものがある。十四年には学生村の遊船は建造に着手すべし。水利権問題にては訴願中紛擾もあり、群馬県土木課の冷淡苛酷....
熟語本位英和中辞典」より 著者:斎藤秀三郎
重母音(ay,ey,oy,wy)を作る。 Yacht(yot ――ヨット)【名】遊船、快遊船、競争船(概して小型の快走帆船、また汽船あり)。(-s'man)同上....
三国志」より 著者:吉川英治
呉の東府に一楽園を造築した。楼宮の結構は言語に絶し、園には花木を植え、池畔には宴遊船をつなぎ、廊廂には数百の玻璃燈をかけつらね、朱欄には金銀をちりばめ、歩廊はこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「いや、さきに金沢ノ崇顕がおすすめ申し上げましたごとく、小壺ノ浦には、日ごろの御遊船やら大船八、九そうを武装させ、万一の用意につないでございまする。……ひとまず....