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「遊蕩児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遊蕩児の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文放古」より 著者:芥川竜之介
げ》」なんぞも一代の傑作だと思っているのよ。そりゃまだ好《い》いにしても、評判の遊蕩児《ゆうとうじ》と来ているんでしょう。そのために何でも父の話じゃ、禁治産《き....
青木の出京」より 著者:菊池寛
すぐ、 「君は、青木のことをちっとも知るまいな。あいつはこの頃大変だぜ。すっかり遊蕩児になりきってしまってね。友人の品物を無断で持ち出すやら、金を借り倒すやら大....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ケチを振っている!」彼はうなった。 水夫たちも、火夫たちもデッキへ出て、悲惨な遊蕩児《ゆうとうじ》たちをながめた。伝馬は近づいた。大工は鼻歌をうたっていた。彼....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
となしいが、酒飲みで、そうなるとまるで様子の変る人が時々やってきた。噂では大変な遊蕩児だという。この医者と養子娘との間は公然の秘密になっていた。お医者さんは鉄砲....
科学に志す人へ」より 著者:寺田寅彦
い花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児」のために、この取止めもない想い出話が一つの道しるべともなれば仕合せである。(昭和九年四月『帝国大学新聞』)....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
しパリダリスカも決して竜ではなかった。道化者パントラビュスはイギリス・カフェーで遊蕩児《ゆうとうじ》ノメンタヌスをも愚弄《ぐろう》する。ヘルモジェヌスはシャン・....
次郎物語」より 著者:下村湖人
に彼の恋の競争相手を見出さないでは居れなくなって来たのである。 恋の競争相手が遊蕩児であり悪漢であることは、恋する人にとって決して不幸なことではない。それは、....
魔都」より 著者:久生十蘭
談と思われる。酒場の通路に長々と寝そべっているのは、山木元吉という有名な好事家的遊蕩児で、それをしっかりと足で踏んまえているのは、川俣踏絵という当時売出しのアメ....
赤い壺」より 著者:種田山頭火
―若しも彼が真摯であるならば――そこで『神の子を孕める悪魔』を捉えることがある。遊蕩児にただ一つ羨ましい事がある。彼は歓楽の悲哀――それは恐らく遊蕩児のみが味わ....
恐怖の季節」より 著者:三好十郎
がすると共に、自分に接触する他をダラクさせるような気がする。私の知っていた一人の遊蕩児が、一方で愛人を持ちながら他方でプロスチチュートを買いつづけていたら、自分....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
マデも附添って手厚く看護したという逸事が載っているが、沼南は心中の仕損いまでした遊蕩児であった。が、それほど情が濃やかだったので、同じ遊蕩児でも東家西家と花を摘....
山道」より 著者:中里介山
が改めて馬上の人に注意することになりました。 「戯作者――徳川時代の通人、粋客、遊蕩児《ゆうとうじ》といったような半面を持っている男ですか」 「そうでもないので....
生不動」より 著者:橘外男
君太郎なぞを連れてそんなところへ顔出しするのは、いかにも人の不幸のところへ心ない遊蕩児の気紛れな仕業と人に取られるかも知れなかったが、思う人には何とでも思わせて....
死者の権利」より 著者:浜尾四郎
して、自分が行くことにしてしまいました。 こうやってこの夏の夕暮に、私は、殺人遊蕩児を乗せて、昼は、赤坂に、夜は柳橋に、向島に新橋にと、ビュイックやナッシュを....