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「運び出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

運び出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
長八は住職と相談の上で近所の駕籠を呼ばせ、急病人の体《てい》にして伝兵衛の死骸を運び出すことにした。そうした秘密の処置を取るには、暗い夜更けが勿怪《もっけ》の仕....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
寄せあつめた。ある家からは茶やビスケットを持ち出して来た。ビールやサイダーの壜を運び出すのもあった。わたしの家からも梨を持ち出した。一種の路上茶話会がここに開か....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ら出て行ったが、それもまだ帰らない。その蟹の顔を見ないうちは迂濶にほかのお料理を運び出すことも出来ないので、まことに困っていると、お杉は顔をしかめて話しました。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、誰も気がつく者はありますまい」 言われた通りにして、彼は家僕の死骸をひそかに運び出すと、あたかも軍門を通過する時に、その輿のなかからおびただしい血がどっと流....
母への追慕」より 著者:上村松園
私の十九のとき、隣りから火が出て私の家も丸焼けとなってしまった。 何ひとつ運び出すひまもなく類焼の災にあってしまったのであるが、苦心して描いた縮図や絵の参....
白光」より 著者:井上紅梅
の門内を賃借りする雑姓を追い出し――追い出すどころか、なかなかどうして彼等自身で運び出す――家屋は面目を一新して門口には旗竿と扁額……位が欲しければ京官となるも....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
がよだつ程に怖ろしかった。二人はふるえる手先にその皿をうけ取って、座敷へいよいよ運び出すまでは元の箱へ大切に収めておくことにした。 「もう七つを過ぎた。殿様もや....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
黄金を隠し置き、御役御免になっても老後の栄華、子孫の繁盛という事を考えて、江戸へ運び出す途中に於て、腹心の者と申し合せ、幾度にも切って人を替え、時を変え、黒姫山....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
にいなかった。 人々は炉辺から起ち上る。そして真っ先に冬季中、山で焼かれた炭を運び出すべき時節であった。ところが今年は、その炭運びのための肝心の馬の使えない家....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
るくらいのものなり。中には握飯を貰いて、ニタニタと打喜び、材木を負うて麓近くまで運び出すなどいうがあり。だらしのなき脊高にあらずや。そのかわり、遠野の里の彼のご....
火に追われて」より 著者:岡本綺堂
に寄せあつめた。ある家からは茶やビスケットを持出して来た。ビールやサイダーの壜を運び出すのもあった。わたしの家からも梨を持出した。一種の路上茶話会がここに開かれ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
骨の尖角の間から洩るる大空が、気味の悪いほどに澄切っているのは、軈て真黒な雪雲を運び出す先触と知られた。人馬の交通を遮るべき厳寒の時節も漸く迫り来るのである。 ....
」より 著者:カフカフランツ
光景でしょう! それからついに、ある朝のこと、父はこわばった両脚をもうベッドから運び出すことができなくなってしまいました。まったくみじめなものでした。熱に少しう....
こがらし」より 著者:岩本素白
、大拡の木の葉が吹き落され、毎日こがらしが残って居たし、又火事の時に雑物を入れて運び出すために、用心籠と称する長持のような大きな竹籠が用意されて居た程であった。....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
務ででもあるように思われる。 彼は少女を前にして考えた。運転手に知れないように運び出すとしたら、どういう方法を執ったものだろうか、下手をやって感付かれたら事だ....