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運上
「運上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
運上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
本ずつ、坊主たちにとられるとなると、容易ならない支出である。あるいは、そのために
運上《うんじょう》を増して煙管の入目《いりめ》を償《つぐな》うような事が、起らな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
屋の利分を定め、その余は駄賃として牛方どもに下されたきこと。 一、送り荷の運賃、
運上は一駄|一分割と御定めもあることなれば、その余を駄賃として残らず牛方どもへ下....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、難渋言語に絶し候儀に御座候。 ――農作の儀、扣え地内狭少につき、近隣村々へ年々
運上金差し出し、草場借り受け、あるいは一里二里にも及ぶ遠方馬足も相立たざる嶮岨へ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、開港の期日が来てしまったのだ。しかし、神戸村の東の寂しく荒れはてた海浜に新しい
運上所が建てられ、それが和洋折衷の建築であり、ガラス板でもって張った窓々が日をう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
無気力を極めた田沼の時代でさえ、 世に逢ふは道楽者におごりものころび芸者に山師
運上 となげいた市民には、まだ脈がある…… それから問題が一転して、この席へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
権現様の御治世には、諸国に金銀の山がたくさんに出来、牛車や馬につけ並べた金銀の御
運上がひっきりなしにつづいたそうで、昔の人の話では、佐渡ヶ島は金銀で築立《つきた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二三人斬った罰金として、公方様《くぼうさま》から毛唐の方へ納めなけりゃならねえ、
運上所から夜夜中《よるよなか》、こっそりと大八車へ銀貨を山ほど積んで幾台というも....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
そこで十五万石ならばその十分の四、六万石がその収入となるのであった。尤もその外に
運上などといって種々の取り立てをする事があった。また藩内の城普請、道普請、川普請....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
流行唄などにもうたわれております。 『よにあうは、道楽者に驕り者、転び芸者に山師
運上』 『世の中は、諸事ごもっともありがたい、ご前、ご機嫌、さて恐れ入る』 『世....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
ている。美の健康性がここに在る。 法隆寺金堂の壁画 建国以来、日本にも国
運上又は国政上に、危い、きわどい時機が幾度かあった。その所謂危機が外部から襲来し....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
かった。丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油|会所を建て、水藩の名義で金穀その他の
運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があった....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
) その他を率いたが、二等三角点を設けんとせしも、名にし負う嶮山とて機械及材料を
運上ぐる事能わず、止むを得ず四等三角点を建設する事とした。それも四本を接合せて漸....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
後には加賀になった加賀郡に、浮浪の長某というものがあって、そのあたりの浮浪人から
運上を取り、勝手に部下のものを駆い使っていた話があります。そこへ京の修行者が修行....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
の中に「場役」というのは、その捨場の権利を所有するが為に、いくらかの役銀すなわち
運上金を上納する負担あるものの事で、場所によって古来その場役のあるものと無いもの....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
を徴乞したとある。すなわちその縄張内で生活の道を求めんとするものは、必ずその長に
運上を納めなければならなかったのだ。同書に、神護景雲三年に京の或る優婆塞が、修行....