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「運動場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

運動場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水の三日」より 著者:芥川竜之介
のでもせっせとやる。その代わり埓《らち》のあくことおびただしい。窓から外を見ると運動場は、処々に水のひいた跡の、じくじくした赤土を残して、まだ、壁土を溶かしたよ....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
立ち上った。ペンキ塗りの校舎に沿いながら、もう一度庭を向うへ抜けると、海に面する運動場へ出た。土の赤いテニス・コオトには武官教官が何人か、熱心に勝負を争っている....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ったし、友達もない方でした。昼御飯がすむと他《ほか》の子供達は活溌《かっぱつ》に運動場《うんどうば》に出て走りまわって遊びはじめましたが、僕だけはなおさらその日....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
、あるいは学校に音楽堂を寄附するもあり、あるいは書籍館を寄附するもあり、あるいは運動場を寄附するもありました。 しかるに今われわれは世界というこの学校を去りま....
婦系図」より 著者:泉鏡花
孤児院に寄附の演劇があって、それに附属して、市の貴婦人連が、張出しの天幕を臨時の運動場にしつらえて、慈善市を開く。謂うまでもなく草深の妹は先陣承りの飛将軍。そこ....
追憶」より 著者:芥川竜之介
ものをしたことはなかった。しかし試験勉強はたびたびした。試験の当日にはどの生徒も運動場でも本を読んだりしている。僕はそれを見るたびに「僕ももっと勉強すればよかっ....
朱日記」より 著者:泉鏡花
……朝、一二時間ともちゃんと席に着いて授業を受けたんだ。――この硝子窓の並びの、運動場のやっぱり窓際に席があって、……もっとも二人並んだ内側の方だが。さっぱり気....
去年」より 著者:伊藤左千夫
これ四十人ばかりの人たちが、すこぶるものなれた調子に、撲殺の準備中であった。牛の運動場には、石灰をおびただしくまいて、ほとんど雪夜のさまだ。 僕は主人の案内で....
赤外線男」より 著者:海野十三
完成するや、永い間の欲望を何よりも早く達したいものと思い、装置を使って、研究所の運動場の方向を覗くことにした。折から夕刻だった。肉眼では人の顔も仄暗くハッキリ見....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ちは腹をかかえて笑った。 金谷先生は、てれくさくなって、ひとりその座を立って、運動場へでていった。運動場では、早く登校した生徒たちが、元気にはねまわっていた。....
南地心中」より 著者:泉鏡花
愛い足袋で、腰を据えて、すっと出て行く。…… 私は煙草がなくなったから、背後の運動場へ買いに出た。 余り見かねたから、背後向きになっていたがね、出しなに見る....
あのころ」より 著者:上村松園
遊びに来られて、あの頃の話も出ました。 私は遊歩の時間でも皆と一緒に遊ばないで運動場の隅で石盤に絵ばかりかいていました。 友だちが寄って来て、私が常子という....
京の夏景色」より 著者:上村松園
ぼーえ とさんさ、さかずきさしましょう というのです。昔は道筋はすべて子供の運動場でしたが、今の子供達はもう、うっかり外では遊べなくなりました。大通りから入....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
て来たようでしたよ。……すぐわきの築山の池に、鶴が居たっけ、なあ……姉さん。……運動場で売っていた、ふかしたての饅頭が、うまそうで堪らなかったが、買えなかった。....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
た江東小学校は丁度ここに建っていたものである。現に残っている大銀杏も江東小学校の運動場の隅に――というよりも附属幼稚園の運動場の隅に枝をのばしていた。当時の小学....