運命的[語句情報] »
運命的
「運命的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
運命的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、その言葉をむさぼった。かみしめた。そしてのみ込んだ。
こうして葉子に取って
運命的な一日は過ぎた。
一八
その夜船はビクトリヤに着いた。倉庫の立ちなら....
「世相」より 著者:織田作之助
…………………… 真面目になろうと思ってはいった所が石田の所だったとは、なにか
運命的である。私はこの運命のいたずらを中心に、彼女の流転の半生を書けば、女のあわ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
あの図を見なくってはならないのか。自分とは全く無関係に生き誇って行く女。自分には
運命的に思い切れない女――。」 復一はむっくり起き上って、煙草に火をつけた。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
もなく、貴方の嵌口令が生んだ、産物であるのを知ると同時に、強いて覆い隠そうとした
運命的な一人を、その身長まで測ることが出来たのです」
「身長を?」真斎はさすがに....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
しまった。すべての事情は矢のごとき速度で見るまに究極まで達した。その推移はじつに
運命的な性質を帯びていた。私は私の愛そのものにそむかずしてはもはや毫釐の力もない....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ットの宮苑でした別れの意味をいおうとして……いま折竹に抱かれている唇は綻び、この
運命的な再会を悦ぶかのように、ザチの目はうっとりと開かれている。 しかし、この....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
。そうすれば私は死んでいたかも知れない。別に慄然としたわけではない。唯、こういう
運命的な出来事がひどく滑稽に思われた。自殺することは、今までのあらゆる抵抗の最も....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
捜していたのです。あなたは私の夢にえがいていたかたです。教会のなかで、しかもあの
運命的な瀬戸ぎわにあなたを初めてお見かけ申したのです。わたしはその時すぐに〈あの....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ぐ、故意とらしい素振りをして、 「法水さん、貴方ほどの方が、不在証明なんて云う、
運命的な代物を信じようとはなさいますまいね。僕はこの通り、不在証明もなければ、空....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
知れぬが、北原氏の作品の方が思想的に高いとは思えぬ。そして荷風の方がすくなくとも
運命的だ。荷風よりもドストエフスキイの方が高く深く、
運命的だ。判り切ったことだ。....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
受けているのではないかと思う。 結局田之助や菊五郎の影響を受けたことが、源之助を
運命的に芸質を退転させた。とまれ源之助は、生世話物の調子のよさでは、近頃第一の人....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
にしてもこの事件の謎を自分の力で解決しなくてはならないと言う責任感が湧いて来た。
運命的とは言え、自分こそ事件現場にいた唯一の無関係者だ、自分がこれを解決せずに誰....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
。 * 料理を味わうにも、三等生活、二等生活、一等生活、特等生活と、
運命的に与えられている生活がある。またそれに従って作るところの料理がさまざまであ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
事ではなかった。彼は、暴風よりもいっそう恐ろしい災難に圧倒されねばならなかった。
運命的な微風が海上に戻るとともに、彼の幸運は終末を告げた。その瞬間から、不幸の影....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いう文字もやはり、「因縁ずくと諦めて」とか、「因縁ばなし」とか言って、ことごとく
運命的なものを指し、しかもそのものは絶対の不可抗力で、何とも手の下しようもないこ....