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「運命論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

運命論の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ね……そいつの人生観《ライフ・フィロソフィー》がばかにおもしろいんです。徹底した運命論者ですよ。酒をのんで運命論を吐くんです。まるで仙人《せんにん》ですよ」 ....
運命論」より 著者:国木田独歩
「イヤ僕は最早《もう》戴《いただき》ますまい。」と杯《さかずき》を彼に返し「僕は運命論者ではありません。」 彼は手酌《てしゃく》で飲み、酒気を吐いて、 「それ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
数年前我々がその新しき思索的生活を始めた当初からして、一方それと矛盾する科学的、運命論的、自己否定的傾向(純粋自然主義)と結合していたことは事実である。そうして....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が久我さん、その荒野と云うのは、なるほど独逸神学の光だったでしょう。ですが、その運命論は、かつてタウラーやゾイゼが陥ち込んだ偽の光なのです。僕は、貴女が云われた....
平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
塚さんが、私たちのいう意味の婦人の経済的独立に反対される時には、どうしてこうまで運命論的、自然主義的な行詰った消極論を述べられるのでしょうか。 また平塚さんは....
」より 著者:金子ふみ子
という約束になっているんだから」 祖母はこう答えたけれど、父は今度は、いつもの運命論をかつぎ出して、自分が不運続きのため叔母の着物をみな質に入れた、だからこの....
「若い息子」について」より 著者:宮本百合子
文化建設から排撃したのである。 ○「歴史過程の合則性」を新カント派の連中は宿命論運命論にまで歪めている。――不可避論において。――自由主義的インテリゲンツィアが....
変な男」より 著者:豊島与志雄
でしたよ。」そして中村は取ってつけたような笑い方をした。「そうするとあなたは……運命論者ですね。」 「反対です。生きるも死ぬるも自分の手で処置したいから、あやふ....
学生と生活」より 著者:倉田百三
命を愛する真の生活者でありたいならば、私はこの保身と幸福にはまるで不便な、「恋愛運命論」によって、その恋愛を指導することを勧めたい。 われわれはちょうどわれわ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れわれは、煙草をふかして機会を待ち望むのほかに何事も手につかない。わたしは急激に運命論者にならんとしつつある。風や氷のような、とかく不確実な要素のものばかりを取....
兄妹」より 著者:岡本かの子
木田独歩は「驚き度い」と言い続けながら、あんなにも運命の偶然性、(前に独歩の小説運命論者を兄は妹に言って聞かせていた)を恐れているのだ。僕達青年も刹那主義や自然....
夜の構図」より 著者:織田作之助
「午後三時には君か僕か、二人のうちのどちらかにきっと故障がはいる」 「あなたは運命論者ですか」 「でなければ、君にこんなことは教えはしないよ。あはは……」 ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
に了解しやすき諧謔《かいぎゃく》及び辛辣《しんらつ》に過ぐる諷刺とを喜ぶ事なり。運命論者の如く殆《ほと》んど未来に対して何らの考慮憂苦をも有せざる事なり。祭礼と....
押入れ随筆」より 著者:吉川英治
たかもしれないのである。そんなことをも思い出すと、ミス東京の当夜でも、私はまた、運命論者のような運命観を、彼女らの“美”の光輝の上へ二重に見ないではいられなかっ....