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「遍路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遍路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
四国であって比較的癩患者の多い地方である。そしてその大部分は浮游癩というか、四国遍路ないしは乞食となって仏蹟を浮浪してまわっているのが多い。したがって私は幼時か....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
うぐれである。彼は菩提寺に参詣して帰る途中、往来のすくない田圃なかにひとりの四国遍路の倒れているのを発見した。見すごしかねて立寄ると、彼は四十に近い男で、病苦に....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
八十八カ所の霊場の一つである寺の鐘がさびた音で而もにぎやかに村の上にひびき渡る。遍路が、細い山路を引っきりなしに鉦をならして通る。幹太郎は、そこで、小さい手を受....
海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
ある。 毎年二月半ばから四月五月にかけて但馬、美作、備前、讃岐あたりから多くの遍路がくる。菅笠をかむり、杖をつき、お札ばさみを頸から前にかけ、リンを鳴らして、....
連環記」より 著者:幸田露伴
、今でも法を修して喚べば出て来ると思われている。我邦でも弘法大師は今に存在して、遍路の行者とまでも云えない世の常の大師まいりをする位の者の間にも時によりて現われ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
え添えた事である。 話に聞いた――谷を深く、麓を狭く、山の奥へ入った村里を廻る遍路のような渠等には、小唄|浄瑠璃に心得のあるのが少くない。行く先々の庄屋のもの....
不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
を話してくれた。その話によると、明治のずっと初めの比、四国を巡礼している足の悪い遍路が、車を杖で運んでその薬師まで来たが、薬師の霊験のあることを聞いて、そこへ車....
白痴」より 著者:坂口安吾
の女房は白痴であった。ある幸多き年のこと、気違いが発心して白装束に身をかため四国遍路に旅立ったが、そのとき四国のどこかしらで白痴の女と意気投合し、遍路みやげに女....
英彦山に登る」より 著者:杉田久女
一人で登るのだった。 奉幣殿の上からは奥深い樹海の道で、すぐ目の前に見えていた遍路たちもいつか木隠れに遠ざかってしまうと、全くの無人境を私は一歩々々孤りで辿る....
外米と農民」より 著者:黒島伝治
である。宿屋に泊る客も勿論外米を食うべきである。が、この頃、私の地方の島で四国の遍路に巡る一日五六百人から千人近くの人々にも外米は評判が悪い。路々ぶつ/\小言を....
山吹」より 著者:泉鏡花
ませぬで。……消えるまで、失せるまでと、雨露に命を打たせておりますうちに――四国遍路で逢いました廻国の御出家――弘法様かと存ぜられます――御坊様から、不思議に譲....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
冴えて、唇に緋桃を含んで立っていた。 つもっても知れる……世界を流れ渡る、この遍路芸人も、楽屋風呂はどうしても可厭だと云って、折たたみの風呂を持参で、奈落で、....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
どの行脚や托鉢して歩くような雲水のような心に同感します。 私は西国八十八か所を遍路して歩きたいと思いましたが止められました。天香さんは勝淳さん(一燈園の尼さん....
遍路」より 著者:斎藤茂吉
種を向うの笹藪に投げたりして、出来るだけ長く休む方が楽であった。 そこに一人の遍路が通りかかる。遍路は今日小口の宿を立って那智へ越えるのであるが、今はこういう....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ってはこれらの仲間を禅門だの、勧進(勧進聖の義)だの、西国(西国巡礼の義)だの、遍路(四国遍路の義)だのといっていたりすることが、はなはだ頻繁に自分の目に映ずる....