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過ぎ
「過ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
過ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ず、夫《それ》なり別れてしまったんだが、つい昨日《きのう》、――昨日は午《ひる》
過ぎは雨が降っていたろう。あの雨の最中《さいちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
喜三郎の二人と共に、父平太郎の初七日《しょなぬか》をすますと、もう暖国の桜は散り
過ぎた熊本《くまもと》の城下を後にした。
一
津崎左近《つ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
あいだ》の出来事だった。お嬢さんははっとした彼を後《うし》ろにしずしずともう通り
過ぎた。日の光りを透《す》かした雲のように、あるいは花をつけた猫柳《ねこやなぎ》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
隣を覗きながら、そう云う嬉しさにそやされていた。が、余り虫の好《い》い希望を抱き
過ぎると、反《かえ》ってそのために母の病気が悪くなって来はしないかと云う、迷信じ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
いる。しかし大体《だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても差支えない。いや、端正に
過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女はさも珍らしそうに聖水盤《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
のために半三郎の日記ばかりか、常子の話をも否定するのはいささか早計《そうけい》に
過ぎないであろうか? 現にわたしの調べたところによれば、彼の復活を報じた「順天時....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
なるのに閉口したから。)そんなことを話して歩いて行った。気候は海へはいるには涼し
過ぎるのに違いなかった。けれども僕等は上総《かずさ》の海に、――と言うよりもむし....
「狂女」より 著者:秋田滋
官で、鼻ッぱしの荒い、気むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごともなく
過ぎた。その将校には、前もってこの家の主婦が病気で隣室に寝ていることが耳に入れて....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
わなかった。 永いあいだ私はゆめが破れてしまったのは、晩年になってからのことに
過ぎない。 私にはこの数年来一つの現象が起きているのだ。かつて私の目には曙のひ....
「初雪」より 著者:秋田滋
同じようなことをして暮してしまった。こうして、まる一週間というものは、夢のように
過ぎ去った。 それから、彼女は家のなかを片づけ出した。これがたッぷり一月かかっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
も咲きまじる桜、皆な愉快と悲痛と混じたる強き感じの種となりて胸につかえたる碓氷も
過ぎ、中仙道を熊谷まで来たり。明日は馬車にてまっしぐら東京へ乗り込むべしと思えば....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
虹の円形の全体をつけて訪ねて来て、デビーの略服にかえって驚かされた。 コモ湖を
過ぎてゼネバに来り、しばらくここに滞在した。 この間に、友人アボットに手紙を出....
「寡婦」より 著者:秋田滋
よござんすか、僕を棄てたら、自殺をしますよ」 私も、その時になって、冗談がちと
過ぎていたことにようやく気がつきましたので、それからは少し慎しむようにしました。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
歩いてくるのが目に入るのではないかと恐ろしい思いをした。疾風が木々のあいだを吹き
過ぎると、もしや「早駈けヘッセ人」がまたもや夜ごとの徘徊にさまよいでてきたのでは....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
衛達や、田舎芸術家達の間に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も
過ぎた頃、筆者はたまたま郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から....