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「過敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

過敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
はしかし感傷的という程度であるにはあまりに長く続き過ぎたので、外界の刺激に応じて過敏なまでに満干《みちひ》のできる葉子の感情は今まで浸っていた痛烈な動乱から一皮....
或る女」より 著者:有島武郎
ような掃除のしかたで、はたきまでが違《ちが》い棚《だな》の下におき忘られていた。過敏にきちょうめんできれい好きな葉子はもうたまらなかった。自分でてきぱきとそこい....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
は疲れて頭は興奮していた。仕事をすまして寝付こうとする十一時前後になると、神経の過敏になったお前たちは、夢などを見ておびえながら眼をさますのだった。暁方になると....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
いて見た。気のせいかいやに湿りぽく腰の落つきが悪い。予の神経はとかく一種の方面に過敏に働く。厄介に思われてるんじゃないかしら、何だか去年や其前年来た時のようでは....
性急な思想」より 著者:石川啄木
べき考察を回避し、早く既に、あたかも夫に忠実なる妻、妻に忠実なる夫を笑い、神経の過敏でないところの人を笑うと同じ態度を以て、国家というものに就いて真面目に考えて....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
できようぞ。君とお会いした時も、君のような人が――全然都会の臭味から免疫されて、過敏な神経や過量な人為的知見にわずらわされず、強健な意力と、強靱な感情と、自然に....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
省作の心を聞こうともせぬ。その癖、省作の事については僅かな事にまで想像以外に神経過敏である。深田の家は財産家であるとか、省作は深田の家の者に気に入られているとか....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
在の僕が満足出来ないのは分りきっている。僕の神経はレオナドの神経より五倍も十倍も過敏になっているだろう。 こう思うと、また、古寺の墓場のように荒廃した胸の中の....
階段」より 著者:海野十三
先にねじれ昇る階段を見上げていた。すると二階でコトンコトンと微かに音がする。神経過敏になっている僕は、或ることを連想してハッと思った。何をやっているのだろうか。....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
それが警防団員の耳に焼夷弾が落ちたように響いたものです」と訂正した。時節柄、神経過敏の度もいよいよきつくなってきた。 ◯うちの女房も、情報が「少数機」と言ったの....
怪星ガン」より 著者:海野十三
な軍隊をひきいて乗りこんできたのでしょうか」 「ミネ君は、このところ、いやに神経過敏になっているね。それはよくないよ。もっとのんびりとしていたほうがいい」 「だ....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
聴いた時は、こおうてこおうて堪らんのやけど、度重なれば、神経が鈍になると云うか、過敏となるて云うか、それが聴えんと、寂しうて、寂しうてならん。敵は五六千メートル....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
ついたまで捨てて置けないという、心の状態になるのである、趣味を感ずる神経が非常に過敏になる、従て一動一作にも趣味を感じ、庭の掃除は勿論、手鉢の水を汲み替うるにも....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
やニコポンは薬にしたくもなかった。君子とすると覇気があり過ぎた。豪傑とすると神経過敏であった。実際家とするには理想が勝ち過ぎていた。道学先生とするには世間が解り....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
比べて決して見劣りしなかったが、己れの疵瑕を感ずるに余りに鋭敏な作者は、丁度神経過敏家が卯の毛で突いたほどの負傷でも血を見ると直ぐ気絶するように、自分の作が意に....