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過渡期
「過渡期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
過渡期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
、全く異なった生活様式が突発するという事実はない。三つの生活様式の中間色をなす、
過渡期の生活が起滅する間に、新しい生活様式が甫《はじ》めて成就されるであろう。歴....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
宇宙の成立』一六七頁参照)。リッターもまたこの中間期の長さが白光星から赤光星への
過渡期に比べて比較にならぬほど短かったと考えている。――ベテルギュースのように著....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
であろう。古き和漢の伝統および趣味と欧州の学問趣味とを一身に備えた意味において、
過渡期の日本における代表的な作家だろう。我々の次の時代においては、和漢の正統な伝....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
ある大脳の手術をやったのだというのだから、恢復までに、どうしてもそうした不安定な
過渡期をとるのだと黒木博士が説明してくれたが、そんなものかもしれない」 今も昂....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
四丁目の松本、まだ沢山ありましたが、多くは廃業しましたね。 この江戸と東京との
過渡期の繁華は、前言ったように、両国が中心で、生馬の眼をも抜くといった面影は、今....
「人形の話」より 著者:折口信夫
みると、けがれているから棄ててしまうということと、雛を飾り子供が弄ぶということの
過渡期を示している。けがれをもっているのに、「いたこ」が「おしらさま」をあそばせ....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
のもっていた低い道徳であったのが、武士の階級の道徳にはいっていったのである。その
過渡期には、男らしくないことだ、という新しい見解で、だんだん有識階級から退けられ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
し、私をしていわしむれば、これらの事実は、世界がまだ芸術としての生育を遂げ得ない
過渡期の変態的現象にすぎなかつたのである。もしも映画が真に芸術であるならば、それ....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
らないということを、われ/\は深く反省させられるのです。 何事にも順序があり、
過渡期というものがあります。司令部当局もそれは認めているようですが、一番困るのは....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
きる。要するに彼のごときは(みな、他人ごとだと思つてはいけない。)才能ある人間が
過渡期に生れたため、その才能を畸型的に発達させられた一例であつて悲劇的といえば悲....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
言った。その度に私はこれこそ女史の芸術の一進歩であると思った。 久野女史は正に
過渡期のニホンの楽界の犠牲である。本当にピアノを理解しなかった過去のニホンは知ら....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
っておる。それ故に椿岳の生涯は普通の画人伝や畸人伝よりはヨリ以上の興味に富んで、
過渡期の畸形的文化の特徴が椿岳に由て極端に人格化された如き感がある。言換えれば椿....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ニヤリと脂下ってるだろう。だが、江戸の作者の伝統を引いた最後の一人たる緑雨の作は
過渡期の驕児の不遇の悶えとして存在の理由がある。緑雨の作の価値を秤量するにニーチ....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
芸術に於て、プロレタリアの作家の出現は、すでに必然の真理とします。たゞ、この
過渡期にあっては、知識階級中の若干分子が、その代弁者たることの止むを得ざることで....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
、折々ひやひやさせられた。それが一とたび村落の中に這入ってみると、雪道と地道との
過渡期なるこの季節のこととて、例の家根から掻き落した雪が、まだそのままに高く積も....