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道の空
「道の空〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道の空の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
た。 もうその時は私も形振《なりふり》は関わず、ただ燻んでひやりと冷たいあの街
道の空気に浸り度い心が急《せ》いた。私も街道に取憑《とりつ》かれたのであろうか。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
手伝った。 「きょうもよいお天気だ。」 そう言って、金兵衛が伏見屋の店先から街
道の空を仰いだころは、旧暦九月の二十四日を迎えた。例年祭礼狂言の初日だ。朝早くか....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
も、彼は出入り口の障子の開いたところから板廂のかげを通して、心深げに旧暦四月の街
道の空をながめた。そして栄吉の方を顧みて言った。 「今まではお前、参覲交代の諸大....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
て引き返して来たころになっても、まだ父は式台の上がり段のところに腰掛けながら、街
道の空をながめていた。 「お父さん、本陣のつとめもつくづくつらいと思って来ました....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れなかったような時だ。半蔵は多くの思いをこの東京に残して、やがて板橋経由で木曾街
道の空に向かった。 五 「お師匠さま。」 その呼び声は、雪道を凍....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
、大通りへ出て、三丁目の方へ向って行った。本屋のある側にうつろうとして、宏子が車
道の空くのを待っている時であった。むこうの側の車道をつづいて二三台来たタクシーの....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
めて手際よく、あっち側の歩道の人ごみの間へにげ込んでしまった。巡査が振り返る、車
道の空間には、おっことして行った味噌こしざるみたいなものと一緒にまだ彼の笑顔が残....
「さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
の成立条件を発見した。とその時に思ったことがある。蒸されるような暑苦しい谷間の坂
道の空気の中へ、ちょうど味噌汁の中に入れた蓴菜のように、寒天の中に入れた小豆粒の....