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道一
「道一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
から一週間目に、宿の女将《おかみ》の周旋で、芝《しば》の紅葉館《こうようかん》と
道一つ隔てた苔香園《たいこうえん》という薔薇《ばら》専門の植木屋の裏にあたる二階....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りとして、 「静岡は口の奢った、旨いものを食う処さ。汽車の弁当でも試たまえ、東海
道一番だよ。」 主税はどこまでも髯のある坊ちゃんにして、逆らわない気で、 「い....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ずれにしろもう完全に封鎖されていた。この上は本当にも嘘にも、いま声をかけてくれた
道一方しか逃げ場がないのだ。――僕はもう覚悟をきめて、 「おい、頼むよオ」 と....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
立した一個の私線路であって、十国口と箱根口との両端に二ヶ所の停車場があるだけで枝
道一本ついてない。しかもその停車場には前述のように道路の上に遮断機が下りていて番....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
が、店だって何だか汚ならしいものばかり売っている。そして通りの真中の広い歩道が、
道一ぱいに汚ならしいテントの小舎がけがあって、そこをまた日本ではとても見られない....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、例の丘のうえをすれすれにとべば向こうへぬけられそうです。 「うん、しめた。あの
道一つだ!」 と、舵をひねって、ひゅーっと燕のように丘の上にまいさがり、いまそ....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
うのである。 茶店の縁に腰を掛けて、渋茶を飲みながら評議をした。……春日野の新
道一条、勿論不可い。湯の尾峠にかかる山越え、それも覚束ない。ただ道は最も奥で、山....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
あなた、その馬車――」 自動車の警笛に、繰返して、 「馬車が、真正面に、この桟
道一杯になって大く目に入ったと思召せ。村長の爺様が、突然|七八歳の小児のような奇....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、嫉妬と言われ、じんすけと嘲けられつつも、多勢の人数を狩集めて、あの辺の汽車の沿
道一帯を、粟、蕎麦、稲を買求めて、草に刈り、芥にむしり、甚しきは古塚の横穴を発い....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
り憎み切れない女だと思った。 目的もなく昼近い太陽に照りつけられながら、所々に
道一杯になって踊る群衆に遮られ、または好奇心から立止まってそれを眺めたりしている....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ばかりではない、それが篠田とは浅からぬ関係があるように思われまする、小宮山はどの
道一泊するものを、乾燥無味な旅籠屋に寝るよりは、多少|色艶っぽいその柏屋へと極め....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
出をして坊さんになりました。 そこで三蔵と申しまする、末が家へ坐りましたが、街
道一の家繁昌、どういたして早やただの三蔵じゃあございません、寄合にも上席で、三蔵....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しょうか――時代が時代ゆえ、教育はもう至って簡単なもので、学問は読書、習字、又歌
道一と通り、すべて家庭で修めました。武芸は主に薙刀の稽古、母がよく薙刀を使いまし....
「妖婦」より 著者:織田作之助
いた。が、安子は健坊という一人を「あたいの好い人」にしていた。健坊は安子の家とは
道一つへだてた向側の雑貨屋の伜で、体が大きく腕力が強く、近所の餓鬼大将であった。....
「六日月」より 著者:岩本素白
ったら、或は調和するかも知れない。 そんな詰らぬことを考えながら歩いて行くと、
道一杯を挟んで扉の無い古い門が立って居る。ここは今まで度々通りながら、何時も気に....