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道中
「道中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いてねえ。(小さな声で、)――大儀、」 「はッ、主税|御供仕りまする上からは、御
道中いささかたりとも御懸念はござりませぬ。」 「静岡は暢気でしょう、ほほほほほ。....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。 侍女一 早くお着き遊せば可うございます。私どももお待遠に存じ上げます。 公子
道中の様子を見よう、旅の様子を見よう。(闥の外に向って呼ぶ)おいおい、居間の鏡を....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、ヒ、ヒ、空ざまに、波の上の女郎花、桔梗の帯を見ますと、や、背負守の扉を透いて、
道中、道すがら参詣した、中山の法華経寺か、かねて御守護の雑司ヶ|谷か、真紅な柘榴....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
つさえ、風に取られまいための留紐を、ぶらりと皺びた頬へ下げた工合が、時世なれば、
道中、笠も載せられず、と断念めた風に見える。年配六十二三の、気ばかり若い弥次郎兵....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に、頼まれまして、技師の方が可い、とさえと一言云えば、すぐに合鍵を拵えるように、
道中お抱えだったので。……何、鍵までもありゃしません。――天幕でお道さんが相談を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
屋の唐人笠も、この時その本領を発揮した。 余り随いて歩行いたのが疾しかったか、
道中へ荷を下ろして、首をそらし、口を張って、 ――「とうふイ、生揚、雁もどき。....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
まったのです、旦那さま。」 その日に、アウレリウスはローマへ帰るべく出発した。
道中も彼は深い考えに沈み、ほとんど物も言わずに、往来の人とか、船とか、すべての事....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
昔男と聞く時は、今も床しき
道中姿。その物語に題は通えど、これは東の銭なしが、一年思いたつよしして、参宮を志....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
好きな色模様の衣裳を重ねました。それは綿の入った、裾の厚いものでございますので、
道中は腰の所で紐で結えるのでございます。それからもう一つ
道中姿に無くてはならない....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
下の紫檀の机に、うしろ向きで、紺地に茶の縞お召の袷羽織を、撫肩にぞろりと掛けて、
道中の髪を解放し、あすあたりは髪結が来ようという櫛巻が、房りしながら、清らかな耳....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
らしきを求め出した時代である。『膝栗毛』や『金の草鞋』よりも、仮名垣魯文の『西洋
道中膝栗毛』や『安愚楽鍋』などが持て囃されたのである。草双紙の挿絵を例にとって言....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
らったとおりの笑顔が、目にうかびました。そこで、カイちゃんにあって、ながいながい
道中をして自分をさがしにやってきたことをきき、あれなりかえらないので、どんなにみ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
竹または詩など寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も
道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、開帳まいりに、ここへ出て来たという、滑稽な昔話がある―― 人待石に憩んだ時、
道中の慰みに、おのおの一芸を仕ろうと申合す。と、鮹が真前にちょろちょろと松の木の....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の短冊をやたらに幾度も頂いた。(おかし。)と云って、宗匠ちょっと得意ですよ。――
道中がちと前後しました。――可心法師は、それから徒歩で、二本松で雨に悩み、途に迷....