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「道中姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道中姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の子息の前にもお辞儀をした。手賀野村からの雨中の旅で、笠も草鞋もぬれて来た松雲の道中姿は、まず半蔵の目をひいた。 「この人が万福寺の新住職か。」 と半蔵は心の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
町の家まで行って見た。青い河内木綿の合羽に脚絆をつけたままで門口から訪れる半蔵の道中姿を見つけると、小娘のお三輪は多吉やお隅を呼んだ。 「オヤ、もうお立ちですか....
名娼満月」より 著者:夢野久作
の春という評判が、日本国中津々浦々までも伝わって、毎年三月の花の頃になると満月の道中姿を見るために洛中洛外の宿屋が、お上りさんで一パイになる。本願寺様のお会式に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まめ! 消えてなくなりゃあがれ、うふふ」 見ればいつのまにか、もうキリリとした道中姿になっていて、四通八達、どちらへでも飛べるように、ちゃんと身拵えが出来て来....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がら、以前の裏の戸を押開けて、外の闇に消えてしまいました。 まもなく、七兵衛の道中姿を、多摩川を一つ向うへ隔てた吉野村の、柚木《ゆき》の即成寺《そくせいじ》の....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
昔男と聞く時は、今も床しき道中姿。その物語に題は通えど、これは東の銭なしが、一年思いたつよしして、参宮を志....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いものでございますので、道中は腰の所で紐で結えるのでございます。それからもう一つ道中姿に無くてはならないのが被衣……私は生前の好みで、白の被衣をつけることにしま....
丹下左膳」より 著者:林不忘
にもここにも立ち話がはずんでいる。 忠相も口をだした。 「掏摸か。それにしても道中姿は珍しいな」 「へえ。あれがあの輩《てあい》の手なんで……一つまちがえばそ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
の葉茶屋へ寄って、昼食をしたためたそうで。すると側に、二十一、二ぐらいの仇めいた道中姿の女がいて、これも飯を食べていたそうで。いざお勘定となると、百文の勘定に、....
山の人生」より 著者:柳田国男
戸と領地との間に吉凶を報じた奇瑞からであった。従って沿道の各地でも今なお三吉様が道中姿で、その辺を通っていることがあるように考え、ことにその点を畏敬したのであっ....