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道具屋
「道具屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道具屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
かった。美しい家も一つもなかった。殊に彼の家のまわりは穴蔵大工だの駄菓子屋だの古
道具屋だのばかりだった。それ等の家々に面した道も泥濘の絶えたことは一度もなかった....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なかった訣《わけ》ではない。
又
しかしああ言う踏み台だけはどこの古
道具屋にも転がっている。
又
あらゆる作家は一面には指物師《さしもの....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
で日本間を歩かせられるのはとうてい俺には不可能である。……
「九月×日 俺は今日
道具屋にダブル・ベッドを売り払った。このベッドを買ったのはある亜米利加《アメリカ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
に顔のゆがんでいる僕をつかまえて辣腕をふるえる筈がない。 かえりに区役所前の古
道具屋で、青磁の香炉を一つ見つけて、いくらだと云ったら、色眼鏡をかけた亭主が開闢....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
い茂って居る。下※の大きな、顴骨の高い、耳と額との勝れて小さい、譬えて見れば、古
道具屋の店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
が商売を初める者が多く、皆々まず大道商人となって、馬喰町四丁内にギッシリと露店の
道具屋が出ました。今考えると立派なものが夜店にあったものです。その大道商人の盛ん....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
那さん、那谷から片山津の方へ行く道だよ。」 「そうか――そこの中ほどに、さきが古
道具屋と、手前が桐油菅笠屋の間に、ちょっとした紙屋があるね。雑貨も商っている……....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
かったので、柱へつかまった。 一軒隣に、焼芋屋がありましてね。またこの路地裏の
道具屋が、私の、東京ではじめて草鞋を脱いだ場所で、泊めてもらった。しかもその日、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ちとら夜遁をするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。眇、いぐちでない以上は、古
道具屋からでも呼んでくれ。」 「待ちなさりまし。おお、あの島屋の新妓さんならきっ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
むるよし。いま一|人、また一人、他の一人にはわれ偶と通にて出合いたり。その時渠は
道具屋の店に立ちて、皿茶碗など買うたりき。 皆|幸なるべし。 伯母上はいかに....
「露肆」より 著者:泉鏡花
というのもあり、外套、まんと、古洋服、どれも一式の店さえ八九ヶ所。続いて多い、古
道具屋は、あり来りで。近頃古靴を売る事は……長靴は烟突のごとく、すぽんと突立ち、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て、祖父は着馴れぬ半纏被に身を窶して、孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺の古
道具屋を見歩いたが、いずれも高直で力及ばず、ようよう竹町の路地の角に、黒板塀に附....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ある。八歳か、九歳の頃であろう。雛人形は活きている。雛市は弥生ばかり、たとえば古
道具屋の店に、その姿があるとする。……心を籠めて、じっと凝視るのを、毎日のように....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
で。……京では堂宮の絵馬を見ても一日暮せるという話を聞きます。下谷のあの辺には古
道具屋が多いので、私は希望が希望だったから、二長町や柳盛座の芝居の看板の前には立....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「へーい、成程。」 「提灯を一つ貸して下さいな。」 「へーい、成程。」 「そこの
道具屋さんで借りれば可かったのに、ついうっかりしたもんだから。」 「へへい、成程....