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道具方
「道具方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道具方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ば》以上は自分で都合しなければならなかった。主人は、好きな道を役立てて歌舞伎の小
道具方の相談相手になり、デパートの飾人形の衣裳を考証してやったり、それ等から得る....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
りませ。 (手代風の男丁稚とともに去る。幕の開くこといよいよ近くなりしと見え、
道具方楽屋方等の往復繁くなる) 藤十郎 (千寿を顧みて)千寿どの。あの闇の中....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がすよ。下谷《したや》の仲町に住んでいて、おくやま(浅草)の掛け小屋しばやとかの
道具方をやっているというねたが上がりましたからね。こいつてっきり欲に迷いやがって....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しく呼び招いて、不意に尋ねました。 「当一座には、男芸人が何人いるか」 「木戸番
道具方をのぞきますと、芸人と名のつく男は、このわたくしのほかに、百面相を売り物と....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
じょう名人の目の光らないでいらるべき! ただちに楽屋裏へやって行くと、居合わした
道具方に鋭くきき尋ねました。 「市村宗助はいるか、いないか!」 「今、楽屋ぶろか....
「生きている腸」より 著者:海野十三
つめてきた。 そのうちに彼は、あつめてきた道具の真ん中に立って、まるで芝居の大
道具方のように実験用器の組立てにかかった。 見る見るガラスと金具と液体との建築....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
送って、非常に感謝された。 歌舞伎劇場では、演劇をやめ、あの大きな舞台の上に、
道具方が自作した貧弱な受信機を、支配人が平身低頭して借用したのを持ち出した。血の....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
がモトデになって、ともかく呉服物でも時計や材木や紙のことでも心得があった。芝居の
道具方に四年働いていたことなども大変役に立っている。 その日は商売を休んで、例....
「退歩主義者」より 著者:坂口安吾
ます」 「ふざけるない」 「ふざけちゃいないよ。なんでも、やるからね。役者でも、
道具方でも、ハヤシ方でも、選り好みはしないよ。あんなもの、ちょッと稽古すりゃ出来....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ゃねえ、みんながそうでさあ。なあ、銀五郎――」 と傍らにいる、顔中傷だらけの小
道具方を見て、村次郎は同意を求めるように云った。 「なにしろ、最初本づりのきっか....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
幡江はそれが終ると、扇風器の上にある、簀子の上で仰向けになって、きっかけを、下の
道具方に与える。と今度は、調帯が幡江を載せたまませり上って行って、その儘前方の、....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
、お困りになったご様子でございました。一座の方々、長唄、鳴物、囃子のご連中から、
道具方の皆様がたまで、ひと通りのお取調べがあったようでございまして、そのはてには....
「おせん」より 著者:邦枝完二
と、御贔屓の泣く声、喚く声、そいつが忽ち渦巻になって、わッわッといってるうちに、
道具方が気を利かして幕を引いたんだが、そりゃおめえ、ここでおれが話をしてるような....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
から万太夫座の周囲に渦を巻いていた。 弥生の半ばであったろう。或朝、万太夫座の
道具方が、楽屋の片隅の梁に、縊れて死んだ中年の女を見出した。それは、紛れもなく宗....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
たり、舞台装置をやったりすることも珍しくありませんが、その時分は芝居についている
道具方がやるのが普通で、外の方がやるのは珍しかった。それでこの時も、大変新しいと....