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道具箱
「道具箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道具箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
間お島の帯のあいだに仕舞われてある財布が、二度も三度も空《から》になった。大工が
道具箱を隅《すみ》の方に寄せて、帰って行ってから、お島はまたあわただしく箪笥の抽....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「あたりめえだ。ずきんの下でご家人まげが笑っていたことだろうよ。たぶん、針の
道具箱もあったろうがな」 「ええ、ごぜえましたよ、ごぜえましたよ。なんだか知らね....
「乱世」より 著者:菊池寛
と、板の両端へ一本ずつの柱を当てがった。 「おや!」と、思っているうちに、大工は
道具箱から一尺に近い鎹を取り出して、柱と板との継目に当てがうと、大きい金槌へ、い....
「断水の日」より 著者:寺田寅彦
ったのだから、こちらで買ってからでないと付け換えてくれない。それでやむを得ず私は
道具箱の中から銅線の切れはしを捜し出して、ともかくも応急の修理を自分でやって、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
町ニテ出来タトテ、正之助ガ諏訪部トイウ男ヲ頼ンデヤッテ借リタガ、蔵宿デモ、三人ガ
道具箱デ肩衣《かたぎぬ》マデ着テ行ッタ故、疑ラズニヨコシタ、ソノ金ヲ皆ンナ遣ッテ....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
等の草履ばきは、昔のいなせな兄い連のそれと異るのは勿論、現代の大工や植木屋など、
道具箱をかついでさっさとした足取りのそれとも、全く異るのである。そしてその足先は....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
は、医師の寝室であって、――その室の一隅には、今は使われていない靴造りの腰掛台と
道具箱とが、パリーの郊外サン・タントワヌのあの酒店の傍の陰惨な建物の六階にあった....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ならない」と、後で、師匠が苦笑しました。 ところが、また不思議なことには、私の
道具箱が何処にどう潜んでいたか、そのままに助かった。それは、まだ子供のこととて、....
「小刀の味」より 著者:高村光太郎
自然とわかる。ピヤニストの指がまるでひとりでのように鍵をたたくのに似ている。桐の
道具箱の引出の中に並んだ小刀を一本ずつ叮嚀に、洗いぬいた軟い白木綿で拭きながら、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
日勘定の給料を受け取り、その晩家に帰りまして、翌十五日は休日|故、家にいて、ふと
道具箱の小刀の抽斗を開けて見ました。 すると、驚いたことには小刀が悉皆赤錆にな....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
られたから、前と同様のことをいって置きました。そして帰京すると、ほどなく山崎氏は
道具箱をしょって出掛けて来られ、是非弟子にしてもらいたいというので、もはや否応を....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
と、五重塔を汝作れ今すぐつくれと怖ろしい人にいいつけられ、狼狽えて飛び起きさまに
道具箱へ手を突っ込んだは半分夢で半分|現、眼が全く覚めて見ますれば指の先を鐔鑿に....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が来ているわけでもあるまい。
アルトマイエル
それ、あそこの背後に亭主が
道具箱を置いている。
メフィストフェレス
(錐を手に取り、フロッシュに....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
ょうしょう伺います、海岸の方へ往くには、どう往ったら宜いでしょう」 三人|伴の
道具箱を肩にした大工の一人を見つけて訊いてみた。 「俺達も海岸へ往くところだが、....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
、まず、ないよりは増しというところでしょうな。」 ボスコウィッチは物珍らしげに
道具箱をのぞきこみ、そっと指でつついてみては、いろんな質問をした。そんなことをし....