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道化役
「道化役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道化役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「村芝居」より 著者:井上紅梅
った。小さな子供は勝手に自分の話をしていた。するとたちまち一人の赤い薄ぎぬを著た
道化役が舞台の柱に縛られて胡麻塩※の者から鞭で打たれた。みんなはようやく元気づい....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
私はおもった。 役者の顔の隈取りはとても日本ではみられないおもしろさがあった。
道化役者の鼻先を朱で塗り、そしてまた頬のあたりをすみと胡粉とで一、二筆線を入れた....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
肥満の松風村雨や、痩身の夷大黒や、渋紙面のベニスの商人や、顔を赤く彩ったドミノの
道化役者や、七福神や六歌仙や、神主や坊主や赤ゲットや、思い思いの異装に趣向を凝ら....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
て、好評。 ○八月二日、初代市川荒次郎死す、五十八歳。初代左団次の弟にて、敵役と
道化役の達者なり。 ○十月二日、山口定雄死す、四十七歳。これも新派劇の一頭領なり....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
のうちにはちょっとその類型を見出だしにくい芸風の人々で、取り分けて鶴蔵は先天的の
道化役者であった。眼瞼の妙に腫れぼったいような顔をした男で、見るから一種の滑稽味....
「お菓子の大舞踏会」より 著者:海若藍平
ました。 「そうだ、そうだ。それに五郎さんの胃袋は大変に大きいから愉快だ」 と
道化役者のドロップが云いました。黒ん坊のチョコレートは立ち上って、 「一つお祝い....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ることになるだろう。おまけにあいつは、わたしがあいつのためにしくんでおいた芝居で
道化役を演じることになるだろう。さてあしたは、おまえはあそこへジョリクールだけを....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ん、どうするか見やアがれ」 恐ろしい見幕で怒鳴り声をあげた。 2 同じ一座の
道化役、巾着頭のトン公は、夜中にフイと眼を覚ました。 ヒューヒュー、ヒューヒュ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
四頭立の竜の車に乗っているのは、
あれはきっと山師よ。
あの背後にしゃがんでいる
道化役を御覧。
ついぞ見た事のない程、
糧饑て痩せていますでしょう。
きっとつね....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
、彼のはなやかな性質と雄弁とは、おれを彼にたいして反抗を不可能ならしめて、つねに
道化役者の地位においた。世人は彼の雄弁と諧謔とにみせられて、哄笑をするたびに、そ....
「長島の死」より 著者:坂口安吾
本当だのと喚いてみても仕様がないであろう、それよりも莫迦者の寛大さをもって長閑な
道化役者の心をもってきく方がいいらしいと言ったところが、彼は急に激しい落胆を表わ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
っていたのである。 ハーリクィンのように………… ハーリクィンは黙劇に出て来る
道化役の一人で、常に派手な雑色の衣裳を著ているので、クランチャーが補綴だらけの蒲....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いにつれて高地ドイツ語で恋歌を歌った。 実際、オランダ使節の随行員はこれほどの
道化役をつとめたものであった。しかし彼ケンペルはそこに舞踏を演じつつある間にも、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
っては、滑稽な戯画の中の人物と化した。先輩を活神様にして祭り上げる人たちは、また
道化役者にして笑いたがる人たちである。そんな態度が頼みがいなく思われる上に、又聞....
「曲馬団の「トッテンカン」」より 著者:下村千秋
きます。トッテンカン、トッテンカンと実に調子よく木琴は鳴ります。三角帽をかむり、
道化役の服を着た新吉は、そこで大きな声で歌います。 「たたけやたたけ、はげあたま....