道化役者[語句情報] » 道化役者

「道化役者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道化役者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
この満場の拍手、叫喚の怒濤《どとう》を、目に見、耳に聞き、この奇現象、すべて彼が道化役者そのままの、おかしの風貌ゆえとも気づかず、ぶくぶくの鼻うごめかして、いま....
人間失格」より 著者:太宰治
ないか、と言われると、もうダメなんです。お道化た返事も何も出来やしないんです。お道化役者は、完全に落第でした。 「本が、いいでしょう」 長兄は、まじめな顔をし....
お菓子の大舞踏会」より 著者:海若藍平
ました。 「そうだ、そうだ。それに五郎さんの胃袋は大変に大きいから愉快だ」 と道化役者のドロップが云いました。黒ん坊のチョコレートは立ち上って、 「一つお祝い....
蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
、彼のはなやかな性質と雄弁とは、おれを彼にたいして反抗を不可能ならしめて、つねに道化役者の地位においた。世人は彼の雄弁と諧謔とにみせられて、哄笑をするたびに、そ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。または落雷のために触れて死ぬものがあるかの類である。 いつのまにかケンペルは道化役者としての彼自身をこの荘厳な殿中に見つけた。彼は同行のオランダ人と共に、帽....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
っては、滑稽な戯画の中の人物と化した。先輩を活神様にして祭り上げる人たちは、また道化役者にして笑いたがる人たちである。そんな態度が頼みがいなく思われる上に、又聞....
新ハムレット」より 著者:太宰治
ってしまったという笑い話。僕は、深刻な表情をしていながら、喜劇のヒロオだ。案外、道化役者の才能があるのかも知れぬ。このごろの僕の周囲は、笑い話で一ぱいだ。たわむ....
惜別」より 著者:太宰治
てあなたのところへ飛び込んで、こんな馬鹿々々しい長話なんかして、僕は、まるでもう道化役者のようですね。失礼しました。退屈したでしょう。もうこれで、道化役者は退場....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
とはしたない喧嘩を始める。これは爺父が他人を恐れるからである。小林秀雄をこうした道化役者に見立てることは必ずしも当っていないとは思うが、併し彼の内に何かこの種類....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
カラマゾフ一統は、しきりに何か偉い古い家柄の貴族を気どっているけれど、君の親父は道化役者のまねをしながら、他人の家の居候をして歩いて、お情けで台所の隅に置いても....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
日は数人のおへんろさんと行き逢ったが、紅白粉をつけた尼さんは珍らしかった、何だか道化役者めいていた、このあたりには薄化粧した女はめったに見あたらないのに。 喜良....
長島の死」より 著者:坂口安吾
本当だのと喚いてみても仕様がないであろう、それよりも莫迦者の寛大さをもって長閑な道化役者の心をもってきく方がいいらしいと言ったところが、彼は急に激しい落胆を表わ....
余齢初旅」より 著者:上村松園
私はおもった。 役者の顔の隈取りはとても日本ではみられないおもしろさがあった。道化役者の鼻先を朱で塗り、そしてまた頬のあたりをすみと胡粉とで一、二筆線を入れた....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
のうちにはちょっとその類型を見出だしにくい芸風の人々で、取り分けて鶴蔵は先天的の道化役者であった。眼瞼の妙に腫れぼったいような顔をした男で、見るから一種の滑稽味....
四十年前」より 著者:内田魯庵
肥満の松風村雨や、痩身の夷大黒や、渋紙面のベニスの商人や、顔を赤く彩ったドミノの道化役者や、七福神や六歌仙や、神主や坊主や赤ゲットや、思い思いの異装に趣向を凝ら....