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道学者
「道学者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道学者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
るこんな働きをもしいて押しつぶして理屈一方に固まろうとは思いません。それほど僕は
道学者ではないつもりです。それだからといって、今のままのあなたでは、僕にはあなた....
「桜桃」より 著者:太宰治
詩篇、第百二十一。 子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な
道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のかと、軽んじ賤しめたように聞えて、 「そりゃ、いざとなりゃ、教育界に名望のある
道学者先生の叔父もあるし、また父様の幕下で、現下その筋の顕職にある人物も居るんだ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ように力説し、人間の本能をその従属者たらしめることに心血を瀉いで得たりとしている
道学者は災いである。即ち智的生活に人間活動の外囲を限って、それを以て無上最勝の一....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
機嫌とりで誰への嫉妬やら? 45 時はお前のため花の装いをこらしているのに、
道学者などの言うことなどに耳を傾けるものでない。 この野辺を人はかぎりなく通って....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
として私に「生」に対して企てられたる罪悪の意識を与えた。自殺が罪悪だということは
道学者の冷やかなる理屈以外にもっと深い宗教的根拠があるのではあるまいか。そこには....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
ものになって極めて不自然に滑稽に見えた。彼女はひとりでその叔父の真面目くさった、
道学者めいた事を口にするのを見ては心の中で嘲笑っていた。叔父や叔母のいう事に一と....
「青春論」より 著者:坂口安吾
の筆になるという『五輪書』と『夢酔独言』の気品の高低を見れば分る。『五輪書』には
道学者的な高さがあり『夢酔独言』には戯作者的な低さがあるが、文章に具わる個性の精....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
なくとも解決の示唆を与えているからである。この本は生の臭覚の欠けたいわゆる腐儒的
道学者の感がなく、それかといって芸術的交感と社会的趨勢とに気をひかれすぎて、内面....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
亭主に対する同情よりも、一途の恋人の方が必ず世評に於ても勝つのである。 多少の
道学者はすてられた女房や亭主に同情するが、ミーちゃんハーちゃんは常に恋人の味方で....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
きたてる時代に至って報道通りのことを発見して悲憤コーガイ憂国の嘆息をもらすという
道学者は、目がフシ孔で、自分の目では何を見ることもできない人だ。 口に一死報国....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
は造酒の方で、多少手加減をするからで、造酒の方が技倆は上であった。定吉に至ると剣
道学者で、故実歴史には通じていたが、剣技はずっと落ちていた。 由来造酒は尾張国....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
ポイルする役割しか果し得ないだろう。――奥さん、私のこの答弁はいかゞでしようか?
道学者の臭いがしますか? しかし、私は、現に青年を蝕みつゝあるのは、ダンス・ホー....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
族階級の中世思想に反抗して興った新しい町人階級の人間讃歌であった如く、封建思想が
道学者的偏見を有力な味方として人間にかぶせていた偽善のヴェールをひきさく反抗のメ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
物を以て大化以前の設計にかかるものなりと論断せられたるの一事は、当時往々にして斯
道学者間の傾聴するところとなり、今においてなおこれを信ぜんとするものが無いではな....