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「道徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
悪を感じている。この貧困と闘わなければならぬ Petty Bourgeois の道徳的恐怖を。…… 丁度大学を卒業した秋、信輔は法科に在学中の或友だちを訪問し....
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
よ》ったものである。一夫一妻の基督《キリスト》教徒は必ずしも異教徒たる僕等よりも道徳の高い人間ではない。のみならず事実上の一妻多夫は事実上の一夫多妻と共に、いか....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
中に、ふだんから頭の中に持っている、ある疑問を髣髴《ほうふつ》した。 それは、道徳家としての彼と芸術家としての彼との間に、いつも纏綿《てんめん》する疑問である....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
(以下八十二行省略)………そこで私はその時までは、覚束《おぼつか》ないながら私の道徳感情がともかくも勝利を博したものと信じて居ったのでございます。が、あの大地震....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
が何になるんだ? 彼等は猛烈な恋愛を知らない。猛烈な創造の歓喜を知らない。猛烈な道徳的情熱を知らない。猛烈な、――およそこの地球を荘厳にすべき、猛烈な何物も知ら....
十円札」より 著者:芥川竜之介
ばかりだった。けれども今はそのほかにもこの一枚の十円札を返さなければならぬと云う道徳的興奮を感じている。道徳的?――保吉は思わず顔をしかめた。いや、断じて道徳的....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
るかどうか、そんな事はほとんど考えなかった。これは第一に法律があり、第二に人民の道徳があり、わざわざ考えて見ないでも、格別不自由はしなかったからである。) じ....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
それも単に、復讐の挙が成就《じょうじゅ》したと云うばかりではない。すべてが、彼の道徳上の要求と、ほとんど完全に一致するような形式で成就した。彼は、事業を完成した....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
らんや。むしろ智高を失うとも、敢て朝廷を誣《し》いて功を貪《むさぼ》らじ』これは道徳的に立派なばかりではない。真理に対する態度としても、望ましい語《ことば》でし....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
る。哂《わら》うべき、――しかし壮厳な我我の愚昧に依ったのである。 修身道徳は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。 * 道徳の与え....
歯車」より 著者:芥川竜之介
逞しい姉の夫は人一倍|痩せ細った僕を本能的に軽蔑していた。のみならず僕の作品の不道徳であることを公言していた。僕はいつも冷やかにこう云う彼を見おろしたまま、一度....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
子になって、仙術の修業をしたいと思うのです。いいえ、隠してはいけません。あなたは道徳の高い仙人でしょう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすること....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
も遥かに意味の深い、興味のある特色を指摘したい。その特色とは何であるか? それは道徳的意識に根ざした、何物をも容赦しないリアリズムである。 菊池寛の感想を集め....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
の芸術は久保田君の生活と共にこの特色を示すものと云うべし。久保田君の主人公は常に道徳的薄明りに住する閭巷無名の男女なり。是等の男女はチエホフの作中にも屡その面を....
佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
々するは愚も亦甚し。去って天竺の外に南瓜を求むるに若かず。 三、佐藤の作品中、道徳を諷するものなきにあらず、哲学を寓するもの亦なきにあらざれど、その思想を彩る....