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道普請
「道普請〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道普請の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
《うち》はどこにあったか知らないが、どの見当《けんとう》から歩いて来るにしても、
道普請《みちぶしん》ができて、家並《いえなみ》の揃《そろ》った今から見れば大事業....
「芽生」より 著者:島崎藤村
か》っていた鍬を置いて行くことにした。私は毎日通い慣れた道を相生町の方へとって、
道普請の為に高く土を盛上げた停車場前まで行くと、そこで日頃懇意にした多勢の町の人....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
の苦痛、労働のできる間は種類を選ばず労働して、刻々に迫り来る飢餓と戦った。新道の
道普請に、砂利車のあと押しをして、熱い熱い日の下に働いていたが、ふとはげしい眩惑....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
じなしか。」 「その話はわたしも聞いて来ましたよ。」 「新茶屋の境から峠の峰まで
道普請よなし。尾州からはもう宿割の役人まで見えていますぞ。道造りの見分、見分で、....
「家」より 著者:島崎藤村
日が映って来た。お房やお菊は近所の娘達に連れられて、先ず停車場を指して出掛けた。
道普請の為に高く土を盛上げた停車場前には、日頃懇意にした多勢の町の人達だの、学校....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
銭に売るから妙だと思って聞くと「コンミッシォン」だと言った。 九竜で見たと同じ
道普請のローラーで花崗石のくずをならしている。その前を赤い腰巻きをしたインド人が....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
ある。 記者がうっかり見愡れた時、主人が片膝を引いて、前へ屈んで、「辰さん――
道普請がある筈だが前途は大丈夫だろうかね。」「さあ。」「さあじゃないよ、それだと....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
なる事をもってしたのであるか、まさかに悪智慧を着けはしまい。前年その長屋の表町に
道普請があって、向側へ砂利を装上げたから、この町を通る腕車荷車は不残路地口の際を....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。尤もその外に運上などといって種々の取り立てをする事があった。また藩内の城普請、
道普請、川普請等の土木工事も百姓を使役する事になっていた。私の藩の松山などは、米....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
駅の案内書では五里と四分の一だが。」
「ああお前さんは、」と道路工夫は言った、「
道普請中なのを知りなさらねえんだな。これから十五分ほど行くと往来止めになっている....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ましょう。 多助のお話も大分長らく続き追々|終いの方に相成りました。さて多助は
道普請の金を持って四谷の押原横町へ出かける途中で、呼掛けられましたゆえ立留って、....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
出されるのを彼は拒む訳にはゆかなかった。 「こうなっては、いよいよしかたがない、
道普請の土方にでもなるほかに道はないだろう。」実際こう彼には思われたのであった。....
「申訳」より 著者:永井荷風
一つで事が済むなら訳のないことだと、僕は早速承知して主人と共にその自動車に乗り、
道普請で凹凸の甚しい小石川の春日町《かすがまち》から指ヶ谷町へ出て、薄暗い横町の....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
り使いをする、掃除をする、庭作りをする、大工左官等の職人の臨時助手となる。或いは
道普請をする。井戸掘りをする、墓の穴掘りをする、葬式の手伝いをするという風に、種....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、私達も其足跡に跟いて右側の尾根に造られた新しい道を登った、二人の人足がせっせと
道普請をしている。途中横一文字に雪渓を截ち割った二つの大きな断裂が望まれた、この....