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「道服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
ような、見ないような顔をして、そっとその人間を窺《うかが》って見た。 垢じみた道服《どうふく》を着て、鳥が巣をくいそうな頭をした、見苦しい老人である。(ははあ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
鍛冶屋街道を甲府の方へ、二人の老人が辿っていた。 同じような年恰好、同じように道服を着、そうして二人ながら長髪であった。 一人は小太刀、一人は木刀、いずれも....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
る。袖は長く指先を蔽い、その形は筒形である。道教の奉仕者方術師、その人の着るべき道服なのであった。すなわちそこにある彫像は女方術師の彫像なのであった。片手に杖を....
地獄の使」より 著者:田中貢太郎
さして、行灯の灯のしょぼしょぼした光の中へ入って来たものがあった。それは青い錦の道服を着た者と、赤い錦の道服を着た者であった。二個の手にぴかぴか光る鉾があった。....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
… とまた鳴いた。その体は……薄汚れた青竹の太杖を突いて、破目の目立つ、蒼黒い道服を着に及んで、丈高う跳ばって、天上から瞰下しながら、ひしゃげた腹から野良声を....
ステッキ」より 著者:寺田寅彦
んで中風をしてから十年も生きていたのがあった。それが寒い時候にはいつでも袖無しの道服を着て庭の日向の椅子に腰をかけていながら片手に長い杖を布切れで巻いたのを持っ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は僧侶《そうりょ》と伍《ご》するに至る。田舎者の仕事着を少し広くすれば、そのまま道服である。ペルペチュー修道女はきつい信者であって、ポントアーズの近くのマリーヌ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
思う時にはいかなる人も、人間の発明になった二つの経帷子《きょうかたびら》たるその道服と面紗《かおぎぬ》との前に、必ずや戦慄《せんりつ》を覚ゆるであろう。 けれ....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
ニラに渡り、二三年十一月二十六日管区長フライ・アロンゾ・メンチエダ神父によつて修道服を受け、ドン・フライ・ペトロ・デ・アルセによつて司祭に補せられた。教会に残る....
織田信長」より 著者:坂口安吾
、信長へ手ミヤゲの品をあれこれお考えになる、あんまりクドイのはいけないでしょう、道服はいかゞ、よかろう、ときまって、使者はひそかに出発した。 清洲の城へ直接信....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
そもどんな人物なのであろう。 年は六十で痩せていて、狡猾尊大な風貌をしていて、道服めいた着物を着ていて、手に払子めいたたたきを持ち、絶えず口の中で何かを呟き、....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
鳥にもてるのもいいけれど、糞を掛けられるのは閉口だ」 一度彼が外出すると、彼の道服は鳥の糞で、穢ならしい飛白を織るのであった。 「一体道教の目的は、どこにある....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
返った娘の眼の前に、一人の供侍を従えて、おおらかにたたずんでいる人物があったが、道服の下から括り袴の裾が、濃紫に見えているところから推して、公卿であることがうか....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
。一六二三年十一月二十六日、管区長フライ・アロンゾ・デ・メンチェダ神父によって修道服を与えられ、誓願を立てた後、ドン・フライ・ペテロ・デ・アルセによって司祭に補....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
るでそれは地の底からでも湧き出したかの様。白髪を後茶筌に束ねた白髯の老翁。鼠色の道服を着し、茯苓突きの金具を杖の代りにして立っていた。 「でかしたでかした。敵は....