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「道標〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道標の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
れを下り上松に出、ここへ泊る。六時半。 二日(月曜日)晴 上松の宿屋を六時発、道標を見て進む、非常によき道なり。鳥居をくぐりて少し登り徳原を過ぎ、河原に出で、....
読書法」より 著者:戸坂潤
る。 彼の素質の良質な点は、有名な「敗北の文学」(芥川竜之介論)と「過渡時代の道標」(片上伸論)とにまず第一段として現われている。之は並々ならぬ良識とそれを裏....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
御坂《みさか》を登り、右の小径《こみち》を行くと奥の宮|七代《ななよ》の滝へ出る道標があります。御岳山の地味は杉によろしく、見ても胸の透《す》く数十丈の杉の木が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
います。 「江戸へ八十六里二十丁、京へ三十六里半と書いてあるな」 太く書かれた道標《みちしるべ》の文字を読んで、 「鳴海《なるみ》へ二里半」 竜之助が歩き出....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
居る畠であった。所々丘のように高まって居る。また低い木立や草叢がある。暫く行くと道標の杙が立って居て、その側に居酒屋がある。その前に百姓が大勢居る。百姓はこの辺....
道標」より 著者:豊島与志雄
俺の将来を、俺の陣営を、純粋に保つためだ。四辻をこちらに曲ったことが、俺の今後の道標となるだろう。曲ったのではなく、却って真直に歩いたのだ。あすこを真直に行った....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
しかし、今度の場合は、生還した女性が一人いて、その人の報告によると、何者かが道標の方向を逆に変えていたために遭難したのであるという。まことに由々しい話である....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
賊どもに襲われた。山賊に斬られて呼吸を引き取る時こういったということである。 「道標、畑の中。お日様は西だ。影がうつる? 影がうつる? 影がうつる?」 まこと....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
って――それによって、モンセーニュールを導くための未来へのすこぶるわかりやすい指道標を建てるのであるが――みせたものかどうかと、心の中で考えているところであった....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
で一杯ひっかけ、いざ行こうと腰を上げた時、ふと眼についたものがあった。というのは道標で、それには不思議はなかったが、その道標の真ん中所に、十文字の記号が石灰で、....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ほんの僅かの光の縞を、木間からこぼしているばかりであった。ところどころに石燈籠が道標のように立っていて、それがそれのある四辺だけをぽっと明るくしているばかりであ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
場所は、一々石見守が地図に書き入れ、目じるしの岩石、或は立木、谷川、道筋、神社、道標、それより何歩、どの方角にと、そういう風に委しく記したのを、正副二枚だけ拵え....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
路の真中に大きなゆりの木が立って、巨人のように、あたりの木立の上にそびえ、一種の道標になっていた。その枝は瘤だらけで、奇妙な形をしており、ふつうの木の幹ぐらい大....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
にしても、一体この隔離そのものが困難なのと同じ程度に、その発展の道にはっきりした道標を置くことは難かしい。仮りにあり来たりの仕方で、彼の作品を初期と後期に分け、....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
たかも知れない。 萩寺の先にある電柱(?)は「亀戸天神近道」というペンキ塗りの道標を示していた。僕等はその横町を曲り、待合やカフェの軒を並べた、狭苦しい往来を....