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道草を食う
「道草を食う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
道草を食うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
日を、何の変化もなく無事に経過したほどあっけない心持がした。 けれども道中は、
道草を食うべく余儀なくされるだけそれだけ多趣多様で面白かった。その中《うち》で宇....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
侶に、出鱈目な人生の行路を独りとぼとぼと極めて無目的に歩いている人間。 鈍感で
道草を食うことの好きな僕の馬は、時々嬉しくも悲しい不思議な声を出しては啼くが、僕....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
云う。それには仔細があるらしいから、ともかくも来てくれまいかと云った。 余計な
道草を食うことになると思ったが、半七らもよんどころなしに付いてゆくと、宗助は三人....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うだ。同じアシャンチー人の中にも異説ありて最初不死の報を承ったは綿羊だが、途上で
道草を食う間に山羊がまず人間に死の命を伝え、それを何事とも知らず無性に嬉《うれ》....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
」 「へえ、そんなに凄いんかい」 「何しろ向こうは夢中だからな」 「こら、畜生!
道草を食うな」 権九郎は自棄に怒鳴りながら横へ逸れる犬を引き締めた。「雪の降っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この二人は、木茅《きかや》に心を置く落人《おちうど》のつもりでいるのか、それとも
道草を食う仔馬《こうま》の了見でいるのか、居候から居候へと転々して行く道でありな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
兵衛を迷わしめたも道理、田山白雲は、当然行くべかりし海岸道をそれて、意外な方面に
道草を食うことになっていました。 その消息は、駒井甚三郎に宛てた次の手紙を見る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なものであって、非常時気分がする――この際、悠長に雨乞踊りなんぞを見物するために
道草を食うことは策の得たものではない――という心持がしないではないのです。といっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。もっとも悪い批評家もわれわれに有益になる。それは一つの刺激者となる。われわれに
道草を食うことを許さない。われわれがもう目的地へ達したと思うことに、犬どもはわれ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
う。今晩のような穏やかな天気の日には、鴫は、平地へやって行く前に、途中でゆっくり
道草を食う、林の上を回りながら、頻りに道連れを捜し求める。その微かな呼び声で、こ....
「雁」より 著者:森鴎外
女はお上さんがあんなでは困ると、口小言を言いながら、下手の乗っている馬がなまけて
道草を食うように、物事を投遣にして、鼠入らずの中で肴が腐ったり、野菜が干物になっ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
んは、一人ひとりの子供に、いい聞かせていた。
「門前町で遊んでいてはいけません。
道草を食うんではありませんよ。まっすぐお自宅《うち》へ帰るんですよ」
そして、....
「西田先生のことども」より 著者:三木清
いろなことに関心と理解とを持ちながら、つねに一つのものを追求されてきた。先生には
道草を食うことがなかった。その随筆など立派なものであるが、そのような才能を持ちな....