道行[語句情報] » 道行

「道行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

道行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
感じられたのだ。そう感ずるとなんとなく涙ぐんでしまったのだ。 そのころ私は北海道行きを計画していたが、雑用に紛れて躊躇するうちに寒くなりかけたので、もういっそ....
妖術」より 著者:泉鏡花
並べて差向った折からで。…… もっとも事のそこへ運んだまでに、いささか気になる道行の途中がある。 一帆は既に、御堂の上で、その女に、大形の紙幣を一枚、紙入か....
深夜の市長」より 著者:海野十三
長」は、土窟の天井の明りをパッと消した。 それから「深夜の市長」と僕との奇妙な道行が始まった。彼は三月二十九日夜の殺人事件を解くのだと称していたが、なにをする....
一坪館」より 著者:海野十三
ょっとお立より下さいまし”と、案内の文句がかいてあった。 この宣伝看板が出ると道行く人々は、前よりもずっと源一の店に気がつくようになった。 「君、源ちゃん。店....
火星兵団」より 著者:海野十三
きな火柱が立って、そばにいた千蔵さんがやられてしまったんですよ」 新田先生は、道行く人の話を聞いてびっくりした。千二の父親が、ゆうべ火柱でやられたというのだ。....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
気にしいしい、片手でほつれ毛を掻きながら、少しあとへ退ってついて来る小春の姿は、道行から遁げたとよりは、山奥の人身御供から助出されたもののようであった。 左山....
古狢」より 著者:泉鏡花
、二人して。」は、苦々しい。 だから、ちょっとこの子をこう借りた工合に、ここで道行きの道具がわりに使われても、憾みはあるまい。 そこで川通りを、次第に――そ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
で、やがて七十なるべし。臘虎皮の鍔なし古帽子を、白い眉尖深々と被って、鼠の羅紗の道行着た、股引を太く白足袋の雪駄穿。色|褪せた鬱金の風呂敷、真中を紐で結えた包を....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
時に当って、人事に属する、赤いものと言えば、読者は直ちに田舎娘の姨見舞か、酌婦の道行振を瞳に描かるるであろう。いや、いや、そうでない。 そこに、就中巨大なる杉....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、二人が水の滴りそうな、光氏と、黄昏と、玉なす桔梗、黒髪の女郎花の、簾で抱合う、道行姿の極彩色。 「永洗ですね、この口絵の綺麗だこと。」 「ええ、絵も評判でござ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
するではございませぬが、全く素晴らしいもので、私がそれに乗って外出をした時には、道行く者も足を停めて感心して見惚れる位でございました。ナニ乗者に見惚れたのではな....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
旅装束何から何まで行き届かして、機嫌|克くお鉄は送り出して呉れた。 鉄無地の道行半合羽、青羅紗の柄袋、浅黄甲斐絹の手甲脚半、霰小紋の初袷を裾短かに着て、袴は....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
ことごとく斥けて、そうして七化役者と親しんだのであった。 二人は手に手を取って道行をしたという事になっていたのだが、それでは何者にか殺されたのであろう。恐らく....
雪柳」より 著者:泉鏡花
なく踏掛けた。 あたりに人ッ子一人なし、雨はしきる、相合傘で。 「――いよいよ道行です、何でしたっけ…… さらば最期のかねての覚悟。 女肌には緋のかたびらに、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の人数で―― 提灯が五張、それも弓張、馬乗の定紋つきであった。オーバアの紳士、道行を着た年配者、羽織袴のは、外套を脱いで小脇に挟んでいる。菊花の土間へ以上七人....