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「達し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

達しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
だと尋ねるのでございます。わたしは思わず苦笑《くしょう》致しました。盗人に金を調達して貰う、――それが可笑《おか》しいばかりではございません。いかに阿媽港甚内で....
」より 著者:芥川竜之介
それでも耳だけは剛情にも、じっと寝室の戸へ押しつけていた。しかし彼の興奮が極度に達している事は、時々彼があたりへ投げる、気違いじみた視線にも明かであった。 苦....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
あ》った。平太郎は知行《ちぎょう》二百石の側役《そばやく》で、算筆《さんぴつ》に達した老人であったが、平生《へいぜい》の行状から推して見ても、恨《うらみ》を受け....
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
達の径路によるということではない。否むしろ先達《せんだつ》たる大都市が十年にして達しえた水準へ五年にして達しうるのが後進たる小都市の特権である。東京市民が現に腐....
路上」より 著者:芥川竜之介
。――ところでどうでしょう、春画《しゅんが》などと云う物は、やっぱり西洋の方が発達しているんですか。」 清水《しみず》がこう尋《たず》ねたのを潮《しお》に、近....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又 悉達多は六年の苦行の後、菩提樹《ぼだいじゅ》下に正覚《しょうがく》に達した。彼の成道の伝説は如何に物質の精神を支配するかを語るものである。彼はまず水....
忠義」より 著者:芥川竜之介
今更のように、苦い顔をした。 ――第一に、林右衛門の立ち退いた趣を、一門衆へ通達しないのは、宇左衛門の罪である。第二に、まだ逆上の気味のある修理を、登城させた....
或る女」より 著者:有島武郎
校にはいってヴァイオリンのけいこを始めてから二か月ほどの間《あいだ》にめきめき上達して、教師や生徒の舌を巻かした時、ケーべル博士《はかせ》一人《ひとり》は渋い顔....
或る女」より 著者:有島武郎
あてたと思うと、急に舞いの輸からそれて、一散に玄関わきの六畳に駆け込んだ。六畳に達しないうちに痛ましくすすり泣く声が聞こえ出した。古藤ははっとあわててそっちに行....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
あるだけに、私は他人の書いた文字の中にも真実と虚偽とを直感するかなり鋭い能力が発達している。私は君の手紙を読んでいるうちに涙ぐんでしまった。魚臭い油紙と、立派な....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
埋め得ない大きな溝がある。人はよくこの溝を無視して、考えることによって知ることに達しようとはしないだろうか。私はその幻覚にはもう迷うまいと思う。知ることは出来な....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
免を蒙って、一つ僕の顔を見て貰う事にした。すると僕は、直覚力も推理力も甚円満に発達していると云うのだから大したものである。もっともこれは、あとで「動物性も大分あ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
だけに、一歩一歩と首尾よく難局を切り抜けて行きまして、今ではすっかり明るい境涯に達して居ります。それでも、どこまでも自分の過去をお忘れなく、『自分は他人さまのよ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
れ等は、まだ黙想の生活につきては何事をも知らない。が、恐らく向上進歩の最極限に到達した、遠い遠い無限の未来に於て、われ等が過去世の一切から離れ去り、天帝の真光に....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
壁の教会が建っているのだ。 馬がおどろいて疾走するので、乗り手のイカバッドは熟達してはいないが、まだまだこの追跡戦はあきらかに彼のほうに勝ち目があるようだった....