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達観
「達観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
達観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「慈悲」より 著者:岡本かの子
主義な慈悲の例証にこの話は役立つものです。即ち、主人は、ヴァイオリン弾きの本質を
達観し得なかった。彼の放浪的な運命をつくった性格を見透《みとお》さなかった。彼の....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
式をとっていたのです。このとき、フランス革命によって生じた軍制上、戦術上の変化を
達観して、その直感力により新しい戦略を発見し、果敢に運用したのが不世出の軍略家ナ....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
個々の事物に囚われ、単に肉眼によって見る、差別の偏見から生ずるのであって、高処に
達観し、いわゆる全体的立場との関係のように解釈しています。波という現象の上から見....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
が之である。もう一つは、哲学というものが何か聖人めいたりする観念上の思索や煩悶や
達観に帰着するとする卑俗な見解である。この後の方の見解は哲学を例の思想の科学だと....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
二) と述べさらにアウグスチヌスの語を引いて、陰影が画の美を増すがごとく、もし
達観すれば世界は罪を持ちながら美であるといっている。われらはライプニッツ以来議論....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
等はそれを貪《むさぼ》り好んで生きている、世間の馬鹿共が見ると、それが、大徳の、
達観のと渇仰《かつごう》する、見方が違っているんだ」 「そうだ、トモカク坊主でも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
するには当らないが、どうかすると、そういう変人の中に、驚くべき予言が語られたり、
達観が行われたりするもので、あらかじめ、そういう声を聞くと聞かないでは、国の興亡....
「古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
無い。一方的観察を固持して、死ぬるとも疑わぬ。真理追及の学徒ではなしに、つねに、
達観したる師匠である。かならず、お説教をする。最も写実的なる作家西鶴でさえ、かれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ことを考えていた。音楽家にとっては、音楽だけでは十分でない。音楽だけでは、時代を
達観し虚無を超越するまでにはいたらないだろう……。人生だ! 全人生だ! すべてを....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
色っぽいところがある。多情淫奔のタチかも知れぬ。妙に太々しく、度胸をすえて人生を
達観しているようなところもあり、腹の中に何を企らんでいるか見当がつかないような感....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
子を喜ばせるためには、口説くのが何よりである、という考えです。これは老人が人生を
達観した後に会得する考えの一ツでして、苦労人の見解です。そこで玄斎先生は花子夫人....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
十をすぎて子供もなく、デタラメに薬を煮たてて病人をだましてきた呑気な夫婦で人生を
達観し、一向にクッタクがない。低能の東太のお守り役にはまことに適当な人物であった....
「九段」より 著者:坂口安吾
くてデップリふとっていて、大酒のみで、ジメジメしたところのない人物である。人生を
達観していて一向にクッタクがない。こういう豪傑然とした婆さんは珍しいが、抜けると....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ぬ人生の鑑識を備えます。これは大した修業の結果です。しかしながら、この大盤石量の
達観は持ち得なくとも、常にこの理を心に置いて人生の間違いない生き方をする。そして....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に命令せねばならない。それ以外の場合は指導者は常に衆心の向うところを察し、大勢を
達観して方針を確立して大衆に明確な目標を与え、それを理解感激せしめた上に各自の任....